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2020/08号

姫路藩幕末シリーズ(1) 河合家墓所

(姫路市兼田)ほか




 現在、姫路FC支援作品の岡田准一主演の『燃えよ剣』、佐藤健主演の『るろうに剣心 最終章』が劇場公開を控えている。いずれの作品も江戸幕府を支持する佐幕派と、朝廷を支持する勤王派が激しく争った幕末が舞台で、本メルマガでもしばらくの間、「幕末シリーズ」として、幕末の姫路にゆかりが深く、ロケ地としてもお薦めの場所を紹介していくことにしたい。

 姫路の幕末を語るには、まずこの人から始めなければならない。天明7年(1787)から天保6年(1835)まで藩の家老として藩政改革に取り組み、政治・経済・産業・教育など幅広い分野にわたって大きな功績を残した河合道臣(引退後、寸翁と名乗る)である。

 とりわけ道臣が力を注いだのが人材の育成で、藩校「好古堂」とは別に、私財を投じて市川東岸の阿保山(現仁寿山)に私塾「仁寿山黌(校)」を開き、儒学者の頼山陽、勤王学者として知られる菅野白華、歌人・国学者の大国隆正、江戸の儒学者・猪飼敬所ら錚々たるメンバーを教授陣に招き、一般町民や農民の子弟らも受け入れて教育に当たった。

 姫路藩は藩主が幕府の要職に就くことが多く、藩としては佐幕派だったが、仁寿山黌からは多くの勤王派の若者が巣立ち、後に藩内に厳しい対立を招くようになるのである。

 その河合道臣ら河合家の人々を祀る墓所が、仁寿山の西南麓の姫路市兼田にある。県道402号沿いに立つ道臣の顕彰碑から奥へ、狭い道を進んで行くと木立に覆われた一画があり、緩やかな階段状の坂道を登っていくと河合家墓所がある。道臣が坂田町の善導寺にあった祖父河合定恒らの遺骨を移し、一族の墓所としたもので、周りを土塀で囲み、広くきれいに整地された墓所には人工構造物も見当たらず、いかにも江戸時代の墓所という雰囲気を残している。

 昨今はテレビ時代劇の墓参りのシーンなどにも現代風の墓石群が映り込むことが多く、興ざめすることがあるが、こちらの墓所は緑濃い木立の中に周囲と隔絶して設けてあり、空気も静謐そのもの。今にも両刀を束ねた武士が墓桶を手に現れ、墓前に額づくシーンが想像できるのである。

 もう一つ紹介しておきたいのが姫路城内にある寸翁神社。酒井家代々の姫路藩主を祀る姫路神社の一画にあり、傍らに河合寸翁(道臣)の胸像が立っている。美術館などがある搦手の喜斎門から入り、城の北側の背隠曲輪に向かう途中にあるのが姫路神社で、こじんまりとしているが、社殿も社務所も石畳の参道も絵になる佇まいで、城の石垣や内堀を取り込んだ撮影もできる。一般の観光客が訪れることもほとんどなく、城内にある神社らしい、静かでゆったりとした時間が流れているのだ。

「心で旅する姫路」Presented by Himeji FC

姫路の魅力を発信するウェブサイトがスタートしました。

 前回お知らせさせて頂いた、「心で旅する姫路」のウェブサイトを開設致しました。姫路の魅力をフィルムコミッションの目線で、動画や写真にてご紹介させて頂きます。

【心で旅する姫路ウェブサイト】https://kokohime.com/

<「心で旅する姫路」とは?>

 新しい生活スタイルがスタートした今、姫路の新しい取り組みや魅力を再発見して頂けるよう、姫路フィルムコミッションが情報発信をする新事業です。

 「心で旅する」=「想像が新しい私を生む」をテーマに、物理的な距離が遠く感じる今だからこそ、新しい姫路の取り組みや、四季折々の美しい姫路の風景を見て頂き、姫路を身近に感じてほしい。そんな想いから、始まりました。

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