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2020/01号

姫路城―意外と知られていない、このアングル

(姫路市)




 情報の送り手である私たちにも責任があるのだが、メディアに登場する姫路城といえば大抵アングルが決まっている。もちろん、そのアングルが映像的に優れているからに違いないが、姫路城の見学ルートに拠るところが大きいのかもしれない。

 大手門を潜ると、すぐ左に三の丸広場が開け、その向こうに真っ白な天守がそびえている。これが最初の撮影スポットになり、続いて入城口に向かうと、二つの小天守を従えた優美な大天守が西南の方角を向いて姿を見せる。その先の菱の門を抜けた地点でも三国堀の先に西南向きの美しい天守群が見える。見学ルートをたどると、どうしてもこの方角から城を望むことが多くなるのだ。

 「いの門」「ろの門」を抜け、「はの門」に向かう途中に、TVドラマの「暴れん坊将軍」でお馴染みの将軍坂と呼ばれる坂がある。ここも人気の撮影スポットだが、やはり西向きの姫路城で、さらに進んで西北腰曲輪に入ると、大天守と乾小天守、西小天守が顔を揃え、連立天守群の美しさを堪能させてくれるが、こちらも西向き。

 続けて天守に入り、ひと通り見学し、退出して備前丸に降り立つと、真北の高石垣の上に大天守と西小天守が威容を見せる。三の丸広場と同様、南向きの姫路城である。

 もう一つの見学ルートである西の丸に渡って、庭園あたりから捉えても、西南もしくは西向きの姫路城で、確かに美しいが、違うアングルからの姫路城もそれに劣らず美しいのだ。

 ここからがいよいよ本題だが、まずご紹介したのが城の東、搦手口を守る喜斎門付近から見上げる姫路城。姫路城で最も背の高い石垣の上に設けられた太鼓櫓、帯の櫓と帯郭櫓越しに姿をのぞかせる姫路城で、どこまでも青い空を背に屹立する姫路城は、ことのほか美しい。

 帯の櫓の先には「との四門」も見える。搦手口から本丸に至る入口の門で、大手からのコースとはまた違った古城の趣があり、ロケ地としても得難いのだが、安全上の理由でもっか通行不可になっている。

 喜斎門から本丸東面の内堀に続く土塁の上から捉える、南東向きの姫路城も余り紹介されることがないし、太鼓櫓から動物園の西に出る坂道の下から見上げる大天守もカメラに収めたいところだ。

 喜斎門を出て東から望む姫路城にも捨てがたい魅力がある。正面から見る姫路城に比べすっきりとしたフォルムで、特にレンガ造りの市立美術館越しに見る姫路城には言葉に尽くしがたい美しさがある。

 喜斎門から美術館の西側を抜け、「内側の中堀」を伝っていくと広い芝生のシロトピア記念公園に出るが、ここから見る渡櫓を従えた後ろ姿もなかなか優雅。ほかにもご紹介したいアングルもあるが、またの機会に改めたい。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

書寫山圓教寺の鬼追いと姫路城冬の特別公開情報 〜冬のイベント情報〜




姫路城冬の特別公開

〜書写の鬼追い(修正会)〜

 平安時代に、性空上人によって開かれた書写山圓教寺は、西国27番目の札所であり、「西の比叡山」と呼ばれる天台宗の三代道場の一つです。

 境内全域が、国の史跡に指定されており、山内には歴史の重みを物語る数々の堂塔伽藍が残されています。

 修正会とは、年の始めに去った年の反省をし、新たな年の決意をする年頭の法要のことを言います。

 圓教寺では、摩尼殿(本堂)と白山権現で赤鬼と青鬼が鬼おどりを舞い、今年の厄払いをしてくれますが、圓教寺の鬼二は角がありません。

 これは、性空上人の側近として仕え、この山の守護神としてまつられた若天(わかてん)と乙天(おとてん)両童子の化身であると考えられているからです。

 参拝者たちの目的の一つは、白山権現の鬼おどりの後にまかれる厄除けの”鬼の箸”です。

 カラスのサンショウの木を丸く削った白木の棒で、世話人が前殿からまき始めると、両手を空中に伸ばして奪い合いが始まります。

 白山権現で鬼が厄払いをしている間に、摩尼殿では十数人の僧たちが修正会をおこないます。

 その後、白山権現でおどった鬼が摩堂尼堂に向い、ふたたび内陣の御堂で鬼おどりを舞います。

【開催日時】  令和2年1月18日(土)13:00〜
【開催場所】  圓教寺 摩尼殿
【お問い合せ先】書寫山 圓教寺 TEL:079-266-3327


〜世界遺産・国宝 姫路城 冬の特別公開〜

 世界遺産・国宝 姫路城の特別公開として、2020年2月1日(土)〜29日(土)の期間に太鼓櫓と帯の櫓が特別公開されます。

【開催日時】
  令和2年2月1日(土)〜29日(土)
  9時〜16時30分(閉門16時、閉城17時)
【開催場所】
  姫路城太鼓櫓、帯の櫓
【入 場 料】
  大人(18才〜)    1,000円
  小人(小学生〜中学生  300円
【内  容】
備前丸の南東で城の防御を強化する目的で築造された帯曲輪の太鼓櫓と帯の櫓(一部)が特別公開されます。
また、姫路城特別公開にあわせ、入城記念書(御城印)が販売されますので、是非、この機会にお買い求め下さい。
料金:300円 
販売所:姫路城売店(姫路城出改札横)
【お問い合せ】
 姫路城管理事務所
 TEL:079-285-1146

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