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2019/09号
駅(駅舎)のある風景(1)
山電夢前川駅(姫路市広畑区)・JR播但線溝口駅(同香寺町)
今年5月に亡くなった降旗康男監督の映画「駅 station」や「鉄道員」を持ち出すまでもなく、駅(駅舎)は出会いと別れを初め、人が紡ぎ出す様々なドラマの舞台としてしばしば登場してきた。クルマ社会の到来で、多くの路線が廃線になったり、姿を消した駅も多いが、かつては停車場と呼ばれた鉄道駅が持つ情緒、抒情性には抜きがたい魅力がある。そこで今回からは数回、姫路市とその周辺の「駅のある風景」をお届けしよう。まずは、山電網干線の夢前川駅。山電(山陽電気鉄道)は戦前の1933年に前身の宇治川電気電鉄部が兵庫〜姫路間の直通運転を始め、日本製鐵(現日本製鉄)広畑工場の操業開始に合わせて1940年に同工場東門がある夢前川駅まで延伸させ、翌年、山陽網干駅まで全線開通させたものである。
駅自体は1969年に新しく建てられたものだが、外観といい、高い天井の木組みが見られる改札入口といい、南北間の通路といい、昭和の匂いが色濃く残っている。とりわけ、ホームに登る階段付近やホーム上屋の骨組みには古い廃レールが用いられており、レトロそのもので味わい深い。風化が進んで読みづらいが、廃レールには長い歴史を誇るドイツのクルップ社製を表す「KRUPP 1922」の刻印も残っている。5、6年前までは南口に改札口の名残である窓口の跡もあったのだが、残念ながら今は姿を消している。
また、駅の東側には駅名の由来でもある夢前川が流れており、電車が鉄橋を渡る情景も捨てがたく、駅の南側で威容を見せている近代的な製鉄記念広畑病院とレトロな駅との対比も面白い。
2つ目のJR溝口駅は、播但線の前身である播但鉄道時代の1898年に地元の請願によって設置された駅で、播但線では珍しい妻入りの駅舎は1930年に建てられたもの。それを表す建物財産票が下りホームに寄り添って建つ駅舎の柱にあり、「本屋1号 昭和5年4月」の文字が見える。
実はこの駅舎、近年リニューアル工事が行われたのだが、駅を印象付けていた妻入りの玄関屋根とそこに架かる駅名板には大きな変化はなく、どこか懐かしい雰囲気を醸し出している。
夢前川駅同様、こちらもホームの上屋に廃レールが用いられており、上りと下りホームを跨ぐスレート葺きの跨線橋にも味わいがある。近年、上りホーム側にも改札口が設けられたため利用者は少ないようだが、木造の跨線橋は減ってきているので、いろんなシーンに使えるだろうし、跨線橋の小さな窓越しに覗く古いホームにも味わいがある。駅には近くに県立香寺高校もあり、生徒らの通学風景も絵に添えたい。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
第37回 姫路城・好古園観月会開催ついて
【姫路城 観月会の実施について】
■主 催 姫路城イベント実行委員会
■実施日時 令和元年 9月13日(金)17時〜21時
※雨天時は翌日に順延
■場 所 姫路城三の丸広場
■内 容
17時 お茶席 (姫路茶華道会 裏千家)
17時20分 市民参画ステージ(芸能集団 天魁)
18時 オープニングイベント(姫路の観光PR)
おもてなしグルメ(地酒、お月見団子、
引っ越し弁当、揚げかまぼこ、姫路お
でん)
18時10分 オープニングセレモニー
18時30分〜 郷土芸法披露(箏曲、和太鼓、剣詩
舞・石見神楽)
21時 終了
※その他 ・月の観測コーナー 姫路科学館・無料) 月の出〜21:00まで
・マッチ棒で姫路城オブジェを作ろう
(姫路科学館・無料 18時〜)
・和船ライトアップ
(姫路城内堀西側和船乗り場 17時〜21時)
【好古園 観月会の実施について】
■主 催 姫路市・一般財団法人 姫路市まちづくり振興機構
■実施日時 令和元年 9月13日(金)17時〜21時 (入園は20時30分まで)
※雨天は翌日 9月14日(土)に順延
開園時間は17時〜21時(入園は20時30分まで)
■場 所 好古園
■内 容
第一部:17時30分〜、第二部:19時〜 演奏会 「築山池泉の庭」
17時〜20時00分 月見茶会 茶室「双樹庵」
17時〜20時30分 特別料理 レストラン「活水軒」
※「月見弁当」 3日前までに要予約、
20食限定(オーダーストップ19時30分)