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2019/02号
ロケ地としても実績。時の流れが止まったような社宅群
(加古川市加古川町本町)
姫路市に隣接する加古川市にある日本毛織の社宅群。明治32年(1899年)に加古川の東岸で操業を開始した日本毛織加古川工場の従業員のための社宅として設けられたものである。現在は加古川中央市民病院に姿を変えている旧加古川工場の跡地から国道2号をくぐる「トロッコ道」(日本毛織の専用の鉄路が通っていた跡)を南に抜けていくと、まるでそこだけ時計の針が止まったような社宅群が現れる。戦前に建てられた社宅で、上級職用であろうブロック塀やレンガ塀に囲まれた和洋折衷風の一戸建てもあれば、高い板塀を巡らせた、ちんまりとした平屋の社宅、棟続きの長屋風の二階家など、外観も趣も違う社宅がぎっしりと建ち並んでいる。こうしたいかにも戦前を思わせる木造住宅は他の町でも見られるが、あくまでも”点”としての存在でしかなく、この”社宅群”のように”面”として存在感を示すところはまずない。それだけでも価値があるに違いない。
ここにはまた、2棟の”異人館風”の建物もある。西側の1棟は加古川工場が操業を始める前年の明治31年に建設され、後にこの地に移築された旧日本毛織加古川工場事務所で、東側の1棟は外国人技師の住居として明治44年(1911年)に建築されたものである。
こうした”戦前の昭和”を余すことなく伝えることができる一画だけに、これまでにも映画「火垂るの墓」(実写版。2007年撮影)、映画「少年H」「夏の終り」(いずれも2012年撮影)、連続テレビ小説「マッサン」(2014年放映)などのロケ地として用いられてきた。貴重な戦前の社宅だけに保存を求める声も多いが、どの建物も老朽化して空き家化が進んでおり、いつまでこの情景が残るのか、はなはだ心もとないところ。「今しかない!」のかもしれない。
さらに1つ加えておくと、社宅群から徒歩10分ぐらいのところに、昭和10年(1935年)に加古川公会堂として建てられたレトロな味わいの加古川市立図書館もある。ステンドグラスをはめ込んだ正面のアーチ状の窓、大きく張り出した車寄せの屋根、側面のアーチと縦長の窓の連続、いかにも凝ったレリーフなど、映像的な見せどころも多い。
余談ながら本籍地が加古川市志方町だった作家の三島由紀夫が、昭和19年(1944年)に徴兵検査を受けたのもこの公会堂で、北側にある松の木の下で行われた力比べで、地元の農村青年に比べて自分の肉体と体力の余りのなさに三島が打ちひしがれたという逸話が残っている。
姫路へ行こう!
今月の話題はこれ! 〜姫路城特別公開情報〜
● 姫路城 冬の特別公開
姫路城の世界遺産登録25周年を記念して、東小天守、乾小天守、イ、ロ、ハ渡櫓などの小天守群が特別に公開されていますので是非、この機会に足を運んでください。
【開催日時】
平成31年 2月 1日(金)〜 平成31年 2月28日(木)
【時 間】
9:00〜16:00 ※閉門は17時
【公開場所】
姫路城東小天守、乾小天守、イ、ロ、ハ渡櫓
【内 容】
姫路城の小天守は大天守に対して並立に建てられています。渡櫓で渡櫓でこれらをロの字型に中庭を囲むように繋いでいる建築様式を連立式天守といい、姫路城の他には松山城、和歌山城などがあります。冬の特別公開では世界遺産25周年を記念して、特別公開を実施します。東の小天守については、初公開となります。
また、映画「引っ越し大名!」のロケ地となったロの渡櫓では、撮影秘話パネルの展示を行っています。
【主 催】姫路城管理事務所
【問合わせ】TEL 079-285-1146
● 世界遺産 姫路城マラソン2019
2月24日(日)に姫路城マラソンが開催されます。
沿道にはたくさんの方が応援に駆け付けるほか、市民団体によるおもてなしが各ポイントで行われます。
また、大会を盛り上げるため、大手前公園にて市民ステージやグルメゾーンが設置されますので、是非、足を運んでください。
【開催日時】 平成31年2月24日(日)9:00〜
※大手前公園にて23日〜24日にかけてマラソン祭が開催されますので、詳しくは公式ホームページをご覧ください。
【開催場所】 姫路城周辺
【内 容】
マラソン、ファンランを含めて約10,000人が参加する市民参加型マラソン大会となっています。世界遺産姫路城を始め、姫路の名所旧跡や自然体験を満喫できるコース設定となっています。
【交通規制】
大会当日は7時〜17時の間を目安に、姫路城周辺、コース周辺で交通規制が行われますので、自動車の使用はできる限り控えて頂きますようお願いします。
【主 催】世界遺産姫路城マラソン実行委員会
【問合わせ】TEL 079-221-2861
公式HP: http://www.himeji-marathon.jp/
交通規制のお知らせ