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2018/10号
ロケ好適地が点在する漁業が盛んな古い港町
(姫路市的形町福泊)
姫路市的形町福泊。漁船が舳先を並べる船溜まりのような港を中心に、家々が軒を並べる小さな港町だが、隣接する的形とともに奈良時代に僧行基が開いた摂播五泊の1つ「韓泊」に比定されており、古い歴史と由緒を誇っている。それだけに映像に取り込みたい場所があちこちに展開している。まず、港の西側に姿を見せる「小赤壁」。高さ50m、長さ800mにわたって、奇岩・奇石が露出した断崖が続く美しい自然海岸で、江戸末期にこの地を訪れた儒学者の頼山陽が、中国の揚子江流域にある赤壁を彷彿させるとの理由で、そう名付けたと伝わっている。年季が入った漁船越しに見るその景色は一服の絵でもある。
一方、港の東側の海岸近くに鎮座しているのが鎌倉中期の作と考えられている「八家地蔵」である。高さ1.9m、花崗岩製の精巧な丸彫りで、地元の方の話によれば子授けに霊験あらたかでなことから「子授け地蔵」とも呼ばれているそうで、周囲には毛糸のよだれかけや帽子をまとった小さなお地蔵さんがぎっしりと並んでおり、ほほえましさを醸し出している。
地蔵の東には長い釣台が海に突き出た市立遊漁センターがあり、さらにその東には白い砂浜が続く「福泊マリーンベルト」がある。夏には海水浴客で賑わうが、秋の今は海に向かって投げ釣りを楽しむ人たちの姿が見えるだけ。緑の小山を背景にして、長く奥行きのある砂浜が続いているので、島をイメージすることもでき、アングル次第では巌流島の決闘のような時代物の剣戟シーンにも使えるし、使い勝手の良さは申し分なし。いろんなシチュエーションが描けそうである。隣接して「福泊キャンプ場」があったのだが、平成30年3月末に閉鎖されている。
さらに加えると、福泊はかつて入浜式塩田で栄えたところで、今も溜め池のようにも見える塩田跡に葦(あし)のような背の高い草が風に揺れる光景を捉えることができる。夕暮れどきにはなかなかの味わいである。
さらに付け加えると、マリーンベルトの背後に広がっている産業廃棄物処理場跡も面白い。土の下に眠る処理済みの廃棄物の上を今は緑の草が覆いつくしており、広い広い原っぱという雰囲気。一帯は火気厳禁だが、使い方次第ではいろんな場面が設定できるだろう。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
播州姫路・秋祭り
今年も播州姫路・秋祭りが各地域で開催されます。豪華絢爛な屋台が練り歩き、勇ましい獅子が舞を披露しますので是非、ご覧ください。
〜秋祭り「毛獅子の舞」〈大塩天満宮〉〜
大塩天満宮の秋祭りの獅子舞は兵庫県の重要無形民俗文化財にも指定されおり、県内外にも広く知られています。8氏子8地区から参加する8頭の獅子は、いずれも頭から尾先まで、真っ黒な毛でおおわれた毛獅子が特徴で、これはふつうの神楽獅子と違って、野獅子を表現したもので、頭部が5kg、胴幌(どうほろ)は15キロもの重さがあります。
鎌倉時代に始まり、室町時代に形が整ったと言われており、真っ黒な毛を振り乱し、まるで生きているかのように舞う力強さは圧巻です。
【開催日】
平成30年10月14日(日) 〜 平成30年10月15日(月)
【場 所】
大塩天満宮
【実施者】
大塩天満宮獅子舞保存会
〜松原八幡神社秋季例大祭(灘のけんか祭り)〈松原八幡神社〉〜
播州地方最大の秋祭りで毎年15万人前後の見物客で賑わう歴史ある祭祀です。
宵宮では各地区から7台の屋台が町内を一巡し、松原神社に集い境内でお祓いを受け宮入り、宮出しの祭事を行った後、楼門前で2台から3台の屋台が力強く練り合わせます。
翌日の本宮では、早朝5時からの露払い行事に始まり、海で体を清める潮かきの儀、クライマックスでは、神社の西、約1kmにあるお旅山の練り場(南北を段々畑の桟敷に囲まれた自然の劇場)に移って、3基の神輿のぶつけ合いや6村の豪快な屋台練りが行われます。
今年の練り番町は「妻鹿」で神輿練りの激しさ、豪快さは7カ村一と言われています。
【開催日】
平成30年10月14日(日)〜平成30年10月15日(月)
【場 所】
松原八幡神社、御旅山<本宮>
【実施者】
姫路「灘のけんか祭り」伝承会
〜提灯祭り〈魚吹八幡神社〉〜
魚吹八幡神社の秋祭りは、播磨地方でも最大の、24ヶ村1万数千戸の氏子を抱える壮大な祭りです。「提灯祭り」といわれるように、祭りの呼び物は宵宮の提灯行列と、桜門前で繰り広げられる宮入前の提灯練りです。各地区から宮を目指して連なってきた提灯行列は、参堂をまるで光の波のようにゆるやかに進んで行きます。最後は提灯を壊れるまで激しくぶつけ合い祭りは最高潮に達します。
【開催日】
平成30年10月21日(日)〜平成30年10月22日(月)
【場 所】
魚吹八幡神社
【実施者】
魚吹八幡神社氏子惣代会