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2017/10号
日本建築の「陰影の美」が堪能できる「圓山記念日本工藝美術館」
(姫路市西今宿)
市立琴丘高校北側の、木々が豊かに生い茂る山裾に建つ圓山記念日本工藝美術館。ジャワ島中部にある世界最大の仏教遺跡で世界遺産の「ポロブドゥル」を日本に初めて紹介し、その研究で知られた故井尻圓山(本名・進)の遺徳を偲び、氏が晩年の一時期を過ごした姫路の地に開設された私設の美術館である。「近代化の潮流を乗り越えて、民族的な文化の伝承・継承を」という圓山の志を受けて、館内には人間国宝らによる漆芸・金工・木竹工・染織等の館蔵品が展示されているが、映像的魅力という点で一押しも二押しもしたいのが1階の第一展示室である。
中庭に南面する形に設けられた計64帖の和室からなる展示空間で、上質の和紙を用いた襖によって6室に仕切られるようになっており、壁ではなく襖や障子の開けたてによって無限の広がりをもたせる日本建築ならではの空間が広がっている。
それにも増して圧倒されるのが、中庭に面した深い軒廂(ひさし)が頭上を覆う板張りの広縁。縁は庭と室内の間にある日本建築独特の空間だが、こちらは幅が約2.8mもあり、しばし腰を下ろしていると、内と外、明と暗が見事に溶け合うのを感じ、とても心が落ち着いてくる。
また、広縁の軒先には簾(すだれ)が掛かっており、中庭に降り注ぐ陽射しが室内に入り込むのを遮っているが、簾の隙間から漏れてくる淡い光が何とも美しく、広縁や室内に「陰影の美」をもたらせている。
その中庭もまた、京都の龍安寺の庭園を彷彿させる枯山水の平庭で、箒目(ほうきめ)の付いた白い砂利が何とも絵になる。
第一展示室の奥には簡素な茶室も用意されている。簡素と言いながらも床や躙口(にじりぐち)には味わいがあり、障子越しに望むことができる庭には小さな疎水がしつらえてあり、枝振りの良い樹木や野の草花がさりげなく植えられている。まさに「市中の山居(山里)」という茶の湯文化の風情を醸し出している。
「山も庭も動き入るるや夏座敷」そんな芭蕉の句が思い浮かぶ、石庭と広縁と和室が一体になった展示室。和の趣にこだわったCMや、日本文化に造詣の深い資産家の別邸といった設定にぴったりの空間である。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
秋のバラ園/姫路和牛まつり
■秋のバラ園が10月12日(木)からオープンします
突き抜ける秋空に3500株の秋バラが咲き誇っていますので、是非、足を運んでください。
【開園期間】
平成29年10月12日(木)〜平成29年11月19日(日)
時間:10:00〜16:30(16:00までに入園)
※開園期間中無休
[開園期間中に先着100名と5000円以上お買い上げの方に限り、姫路バラ園より2018年オリジナルカレンダーが進呈されます]
【場 所】
姫路市豊富町豊富2222
【10月イベント情報】
・木下博の土の診断
〜綺麗な薔薇を咲かせるためにも〜
10月15日(日) 10:30〜15:00
・岡本ひでひと 〜癒しと笑いの弾き語りライブ〜
10月22日(日) 11:00〜 ・ 15:00〜
・多田周子 〜日本クラウンのミニコンサート〜
10月28日(土) 11:00〜
・キーボードとオカリナ 〜秋原に囲まれて〜
演奏者:松崎由美、藤田恵美子
10月29日(日) 11:00〜 13:30〜
※その他にも充実したイベントが開催されますので、詳しいことは、直接バラ園にお問い合わせください。
■姫路市と西播磨地域で育てられた黒毛和牛を見に行こう
姫路市を含む西播磨地域のブランド牛「姫路和牛」を堪能して頂く姫路和牛まつりが開催されます。
また、同会場で「第99回兵庫県畜産共進会」も同時開催されますので、是非、参加してください。
【開催日】平成29年10月29日(日)
【主 催】JA前農兵庫
【場 所】姫路市神屋町(キャスティ21イベントゾーン)
【内 容】
(1)姫路和牛まつり 10:00〜16:00
・姫路和牛の焼肉試食(1,000食)
・姫路和牛を使った飲食ブース
その他にも姫路和牛の精肉販売や地元農産物、お土産コーナーもあります。
(2)第99回兵庫県畜産共進会
・種牛・肉牛の部 8:30より審査
・肉牛せり市 14:00より開催
【問合せ先】
姫路市役所農政総務課 079-221-2492