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2017/04号

静謐に包まれた天台宗の古刹とレトロな隧道

(姫路市香寺町)


弁天堂


八徳山八葉寺〜自然豊かな境内


相坂トンネル

 JR播但線香呂駅の西方の山中に佇む八徳山八葉寺。NHKの朝ドラ「ごちそうさん」のロケ地にもなっているが、天平8年(736)に行基が開創したと伝わる古刹で、平安中期に『日本極楽往生記』を著した慶滋保胤(よししげのやすたね)が出家し、寂心と名乗って再興した寺として知られている。

 播磨天台六山の1つで、書写山圓教寺を開いた性空上人と親交があつく、皮膚病に悩まされていた寂心が沐浴する湯釜が欲しいと思っていたところ、それと察した性空上人のもとから湯釜が届けられたという逸話が残っている。

 さて、その八葉寺へは県道80号から参道を進んでいく。急坂が続く参道だが、両側に濃い緑の木立が続き、時おり電柱の影が見えるものの、山越えの街道のような雰囲気を漂わせている。

 やがて到着した寺の駐車場から境内に向かって歩いていくが、苔むしたしっとりとした道で、ここだけでも切り取って使いたいほど。やがて左手に顔を見せる塔頭もなかなかの味わいで、建築に詳しくないのでうまく表現できないが、本瓦葺きの大屋根や唐破風の軒をはじめ細部の意匠にも凝っており、端正そのもの。ガラス戸が用いられているので、すぐには時代物に使えないが、工夫次第で時代設定にも幅を持たせることができそうだ。

 塔頭から石段を上っていくと、緑の山を背景に、正面に本堂が顔をのぞかせる。右手には鐘楼、手前の切石の橋を渡した池には弁天堂が置かれ、それらをあまたの木々が取り囲んでいる。まさに絵になる構図で、特に紅葉の季節には美しさが一段と映え、知る人ぞ知る名所になっている。

 朝ドラ「ごちそうさん」のプロデューサー氏は「立派な境内、生い茂る木々などイメージにぴったり」と評しているが、葉のそよぎと野鳥の鳴き声が耳に届くだけの閑静で自然豊かな寺院で、コンパクトな中にも深い味わいがあり、幅広い設定に対応できそうである。

 ここでもう一つ紹介しておきたいのが、県道80号から八葉寺への参道に道を取らず、そのまま県道を進んだところにある相坂隧道。大正8年から2年間の歳月をかけ、同10年に完成したレンガ造りのトンネルで、薄暗い蛍光灯が灯るだけの今も軽自動車でしか通れないような狭いトンネルだが、レトロ感はたっぷり。荷物を背負った旅商人やお百姓が引っ張る荷車が行き交う絵を描けそうだ。ちなみにこのトンネル、ネット上では心霊スポットとして話題になっている。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

第68回姫路お城まつり〜舞えよ白鷺、千姫とともに〜 開催について



 姫路最大の市民まつり「姫路お城まつり」を今年も5月12日(金)から5月14日(日)までの3日間、姫路城周辺で開催します。

 今年のお城まつりは「舞えよ白鷺、千姫とともに」をキャッチフレーズに、12日(金)は姫路城三の丸広場で姫路城薪能が開催され、13日(土)はオープニングセレモニーの後、パレードやステージイベント、総踊りなどが行われます。14日(日)は、ひめじ良さ恋まつりや子どもたちが楽しめるキッズイベントなど、楽しいイベントが盛りだくさんです。

1 開催日
 平成29年5月12日(金)〜14日(日) 3日間

2 開催場所
 姫路城周辺(姫路城三の丸広場・大手前通り・大手前公園 他)

3 主催
 姫路お城まつり奉賛会・姫路市

4 キャッチフレーズ
 舞えよ白鷺、千姫とともに(まえよしらさぎ、せんひめとともに)

5 主なイベント
 5月12日(金):第47回姫路城薪能、親子教室発表会を開催
 5月13日(土):セレモニー、大パレード、総踊り
 5月14日(日):キッズイベント、良さ恋まつりなどを開催

6 連絡先
 姫路お城まつり奉賛会事務局(姫路市観光振興課内)
 電話079-287-3652、ファクス079-287-3657

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