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2017/02号
随所にアングルの妙―姫路城下を流れる船場川
姫路城下を流れる川に船場川という川がある。城の東北にあたる姫路市保城の飾磨樋門(水門)で、生野に端を発する市川から分水され、姫路城の西側を城の外堀の役目を果たしながら旧城下を南進し、手柄山中央公園の裾野を縫ってさらに下り、飾磨区の工業地帯から播磨灘に流れ込んでいる。江戸初期に藩主本多忠政が「妹背川」と呼ばれていた川を整備して姫路城下と飾磨津(港)との間に舟運を開き、城下の小利木町や材木町に高瀬舟の船着場を設けたことから一帯を「船場」と呼ぶようになり、妹背川もまた「船場川」と呼ばれるようになったと言われている。
さて、その船場川を手柄山のあたりから映像的に見ていくと、まず目を引くのが1966(昭和41)年に姫路駅前と手柄山中央公園を結んで開業した姫路市営モノレールの廃線跡と船場川のコラボレーション。モノレールは1974年に休止になったが、その橋脚と軌道の一部が川沿いに残っており、どこかミステリアスな雰囲気を醸している。
さらに川を上って国道2号に出ると白鷺橋が架かっている。1933(昭和8)年に誕生した橋で、姫路大空襲にも耐えて生き残り、黒い焦げ跡が今も残る欄干が平成の大修理を終えた姫路城を見守っている。
白鷺橋を過ぎると船場川は内側(東側)に姫路城の中堀を伴って北上。中堀に開いた車門跡や市之橋門跡あたりから姫路城の大天守も望める。写真やドラマ等でよく見る姫路城とは異なるアングルなので、とても新鮮に目に映るかもしれない。
川が市之橋にかかると、船場川と中堀との間に細い土道が続くのが俯瞰できる。本多忠政の嫡男忠刻に嫁いだ千姫にゆかりの深い西の丸の下を通り、千姫が崇敬した男山の天満宮にも近いことから「千姫の小径」と名づけられており、春のサクラ、初夏のハナショウブ、秋の紅葉など四季折々の風情が楽しめる遊歩道として親しまれている。小径から城はわずかにしか望めないが、船場川の西の小利木町、材木町には城下町の面影を残す古い町家も点在しており、希少のスポットになっている。
小径の北端、清水門跡あたりからは船場川の背後に姫路城がはっきりと望める。ちょうど北西方向からのアングルで、姫山原生林の上に浮かぶ大天守と西の丸長局の美しさは特筆ものである。
姫路城下を流れる船場川を通して見る姫路の街と姫路城。アングルの妙を楽しんでいただけるだろう。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
【姫路フィルムコミッション支援作品が公開されます。】
昨年、姫路市内で撮影された姫路フィルムコミッション支援作品の劇場公開にいてお知らせします。公開中の作品から近日公開の作品まで。是非、劇場でご覧ください。
映画 「本能寺ホテル」 平成29年1月14日(土)から絶賛公開中
鈴木雅之監督がメガホンをとり、織田信長が暗殺される「本能寺の変」の前日を描く歴史ミステリー映画「本能寺ホテル」が2017年1月14日(土)に全国の映画館で公開が始まります。姫路市では綾瀬はるかさん、堤真一さんをはじめ豪華キャストが書写山円教寺と亀山御坊本徳寺を訪れました。
撮影は円教寺でクランクインし、信長とその家臣、主人公の繭子が打ち解けるシーンを撮影。亀山御坊本徳寺では、本能寺の大広間で茶会が開かれているシーンを撮影。今回は役付きのエキストラさんもおり、エキストラさんたちの演技にもぜひ注目してご覧ください。
■劇場公開日/平成29年1月14日(土)
■撮影日/平成28年7月10日(日)、25日(月)、26日(火)
■撮影場所/書写山円教寺(三つの堂・奥の院)・亀山御坊本徳寺
■配給/東宝
■監督/鈴木雅之
■出演/綾瀬はるか、堤真一、濱田岳 ほか
©2017映画「本能寺ホテル」製作委員会
映画 「3月のライオン」 前編 平成29年3月18日(土) 2部作連続公開
後編 平成29年4月22日(土)
神木隆之介さん主演の将棋をテーマにした映画「3月のライオン」を書写山円教寺にて撮影を行いました。
円教寺では三つの堂(常行堂の舞台)にて、宗谷名人役の加瀬亮さんと後藤九段役の伊藤英明さんが物語冒頭に名人戦を行うシーンを撮影。そのほか、十妙院では記者控室として、円教寺会館では大盤解説として撮影を行いました。
この作品は姫路FCのエキストラさんが近年で一番多く参加された作品です。
■劇場公開日/前編 平成29年3月18日(土)
/後編 4月22日(土)2部作連続公開
■撮影日/平成28年6月6日(月)〜9日(木)
■撮影場所/書写山円教寺(常行堂・十妙院・円教寺会館)
■配給/東宝=アスミック・エース
■監督/大友啓史
■主演/神木隆之介 ■原作:羽海野チカ
©2017映画「3月のライオン」製作委員会