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2016/07号

市街地から近距離に出会う渓谷の美―そうめん滝

(姫路市砥堀)




 「そうめん滝」は増位山の北方、弥高山から流れ出る東西1.8kmに及ぶ渓流である。滝には幾つか種類があり、我々がイメージする一箇所から滝壺に向かって水が流れ落ちる滝を〓直瀑〓と呼び、傾斜した川床を水が滑るように流れ落ちる滝を〓渓流瀑〓と呼ぶそうだが、そうめん滝はまさにその渓流瀑。途中に岩場を落ちる落差1mほどの滝があり、その昔、姫路の殿様がその上流から素麺を流し、滝の下ですくって食したことが名前の由来ともいうが、もちろんそれは伝説の域。もともと渓流自体が水量に乏しく、ところどころの岩陰から細い滝が滑り落ちていることからこの名が付いたようである。

 それはともかく平成18年に姫路市が安富町、香寺町、夢前町、家島町と合併するまで、そうめん滝は景観美を誇る市内唯一の渓谷として知られ、渓流沿いの道は増位山・広嶺山方面に至る近畿自然歩道の一部になっており、上流にはキャンプ場もある。

 前置きが長くなったが、市街地を抜ける県道518号線から少し北西に入ったところにそうめん滝がある。墓地の手前に道標があり、少し歩くと東南寺という無住の小さな寺。いかにも人里離れた寺という雰囲気で、苔むした山の斜面に続く境内に弘法大師の像が立ち、数体のお地蔵さまがじっとと佇むなど、「昭和」が薫りくるような味わいを見せている。

 東南寺の先から渓流沿いに道が続いていく。途中右手に、営業休止中のバンガローとも宿ともつかないミステリアスな建物があり、これはこれで使えそうな感じがする。

 さらに先を進む。少しでも迫力ある滝に出会いたいと、梅雨の晴れ間に出かけた甲斐があってほとばしる渓流の音があたりに響き、群生する木々の間から木漏れ日が溢れ、清冽な空気とも相まってとても絵になる雰囲気になっている。時代劇も含めたいろんなシーンが思い浮かぶが、市街地からわずかな距離にこのような別天地があることは驚きだし、撮影にかかるコストパフォーマンスの点でも評価できそうだ。

 修験道の行場なのだろうか、少し上流には巨大な岩があり、不動明王の石像が祀られている。岩の横から水が滝となって滴り落ちており、行者はこの水に打たれて修行したのかもしれない。

 さらに行くと「いわたき(岩滝)」の表示があり、小さな木橋が架かっている。橋の上から岩を噛んでほとばしり落ちる滝の姿がよく見え、ここも絵になる場所になっている。

 そこからほどなく行くと道は行き止まりで、キャンプ場があり、管理棟らしき建物も見えるが、オフ期間なのか出入口は閉ざされたまま。隣の渓流で水遊びもできるようになっているようで、何気ないシーンを映し出すこともできるかもしれない。

 重ねて記すが、市街地から近距離の渓谷としてコスパの良さは申し分なし。ぜひ足を運んでいただきたいと思う。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

桜山公園まつり


 桜山公園まつりでは、各施設がそれぞれの特徴を生かし、多数の市民ボランティアと共にイベントを実施します。
 イベントの内容は、小さな子ども達から楽しめる実験、スタンプラリー、工作、人形劇、お昼の天体観望会など盛りだくさんです。自然にふれ、人とふれ合い、科学のおもしろさを体験できる「桜山公園まつり」で夏休みの一日を、家族でお楽しみ下さい。

【日時】 7月23日(土)・24日(日) 9時30分〜16時
【場所】 姫路科学館、星の子館、自然観察の森、兵庫県立こどもの館
【内容】 (1) 姫路科学館
子どもたちが実験や工作をするブース(屋台)を多数出展。科学のふしぎや楽しさを感じよう!※参加券(有料)が必要なブースがあります。
     (2) 星の子館
工作やお昼の天体観望会
  (3) 自然観察の森
紙人形劇(23日のみ)、シダのはっぱで作る工作など各施設が趣向を凝らしたイベントを実施します。(一部有料)
【詳細】 http://www.city.himeji.lg.jp/atom/tokuten/archive/16yatai/16yatai.pdf
※詳しい内容については各施設にお問合せください。

【お問合せ】
・姫路科学館 〓:079-267-3001
・星の子館 〓:079-267-3050
・自然観察の森 〓:079-269-1260
・兵庫県立こどもの館 〓:079-267-1153

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