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2016/05号
人との親和、人への拒絶。2つの顔を持つ姫路港
(姫路市飾磨区)
姫路港は網干港区、広畑港区など6つの港区からなる広域港湾で、今回取り上げる姫路港は厳密にいえば姫路港のうちの飾磨港区ということになる。その飾磨港(以下、姫路港と記述する)の歴史は実に古い。万葉集にも「思賀麻江」の名で出ており、江戸時代に入ると姫路城下の外港として大いに発展し、姫路藩の水軍の役所も置かれた。さらに江戸末期には「湛保(たんぽ)」と呼ばれる新たな船溜まりも築造され、瀬戸内海を往来する船と男たちで賑わった。
前置きが長くなったが、姫路港を映像的に捉えると、大きく2つの顔が浮かんでくる。
1つは、人々の暮らしと寄り添う、とても「人に近しい」顔である。港の奥まった一画に船の待合所でもある姫路ポートセンタービルが建っており、瀬戸の海に浮かぶ家島諸島に向かう定期船と小豆島に渡るフェリーの乗船場があり、家島諸島に様々な生活物資を運ぶ貨物船の発着場もある。
ここを舞台に、たとえば早朝なら島から本土の高校に通う学生たちの一団が見られるし、逆に本土から島に渡る釣り客やサラリーマンらの姿も見られる。小豆島へのフェリーには車やトラックのほか、ツーリングに向かう若者の集団や、小豆島八十八ヶ所巡礼に向かうお遍路さんたちの白い装束姿を目にすることもできる。ほっと心が和むシーンが展開するのである。
ところが、南へまっすぐ伸びる埠頭を進んでいくと雰囲気は一変する。埠頭の中央には片道2車線の道路が貫いており、左右に倉庫や上屋、物資の物揚場や野積場が連なっている。往来する車も大半が大型トラックで、人の姿は見当たらない。彩りを見せるはずの街路樹もどこか生気を失っているように見える。
何よりも強烈な印象なのが随所に張り巡らされている有刺鉄線付きのフェンス。米国の同時多発テロを受けて改正されたソーラス条約に対応すべく、船舶及び港湾施設の保安体制の向上のために設置されたもので、500トン以上の船舶が入港する港湾にはこうしたフェンスが張り巡らされているという。フェンスの間にあるゲートには「テロ警戒中」の看板も掲げられ、正直おどろおどろしいものを感じてしまう。
フェンスの中は物一つないだだっ広い空間であったり、クレーンが鎮座していたり、電化製品などの産業廃棄物がうず高く積まれていたりと様々だが、「人を拒絶する」というニュアンスには変わりない。
本土と島を結ぶ乗船場の何気ない日常や、人の出会いと別れが撮れそうな、とてもフレンドリーな表情と、人を拒絶し翻弄するようなサスペンス向きのクールな表情。その2つの顔を持つことが姫路港の映像上の魅力だと言えるだろう。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
姫路お城まつり同時開催イベント〜IWC2016チャリティ試飲会(全国 VS 播磨 日本酒飲み比べ)の開催について
姫路お城まつり同時開催イベントとして、世界最大のワインイベントであるIWC(インターナショナルワインチャレンジ)2016「SAKE部門」審査会にエントリーされた日本酒の中から100銘柄以上が大手前公園に集結し、地元播磨の22蔵から選りすぐりの地酒と有料で飲み比べすることができます。
1 | 開催日時 平成28年5月21日(土) 13時30分〜19時 (※ お酒が無くなり次第終了。荒天時は22日(日)に順延。) ・セレモニー 13時30分〜 ・飲み比べ開始 14時〜 | ||||
2 | 場 所 大手前公園(姫路市本町68) 【JR・山陽電鉄姫路駅より北へ徒歩約10分】 | ||||
3 | 内 容
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4 | お楽しみ袋 IWC酒の中から1本をランダムに袋詰めした「お楽しみ袋」を販売します。 (500円〜1,000円で500本程度を用意します) | ||||
5 | 主 催 播磨広域連携協議会、はりま酒文化ツーリズム協議会、姫路市、播磨4酒造組合 | ||||
6 | お問い合わせ先 神戸新聞事業社(運営受託業者) Tel 079-285-2701 |