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2016/04号
「昭和」から「平成」まで多彩な表情を持つ小さな港町
(姫路市的形町)
姫路市東部の海岸線にある的形町。かつては塩田で栄えた町で、漁港を兼ねた塩の積出し港でもあったのか、塩田の水路(澪)が海に注ぐ河口に港が開けている。水路の西岸がかつての港町だったようで、往時の賑わいを偲ばせる板張りの古い倉庫や、漆喰壁に焼き杉板を巡らせた豪壮な民家が路地のような細い道に沿って続いている。それだけでも「昭和」が匂ってくる感じなのである。懐かしいものを感じながら南へ、海の方に向かって歩いていくと、右手に小ぶりな石鳥居が立ち、その奥に素朴だが木組みの美しいお社が顔を覗かせている。泉州堺の住吉明神の分霊をこの地に祀ったとされる住吉神社で、玉垣には漁師らしい地元の村人の名前が見える。玉垣越しには河口が見え、その間から海に出ることもできる。
一方、水路は河口近くになるほど眺めが変わってくる。板壁の民家の前に多く見られた漁船に代わって、岸にはヨットやクルーザーが係留され、陽射しにマストを煌めかせている。東側の岸壁には陸揚げされたヨットやクルーザーがそれぞれの場所に保管されている。ヨット・ボートの製造販売のほか、マリーナの管理にあたり、姫路城内堀を巡る姫路藩和船「はりま」の建造にも携わっている造船会社がここにあるからだが、カラフルな装いの船がズラッと船体を横たえている姿は壮観の一言。西岸で「昭和」を撮り、東岸で「平成」を映し出すという面白さもあるだろう。
マリーナの南側には500メートルにわたって白い砂浜が続いている。潮干狩りや海水浴で賑わう海岸で、前方には瀬戸の島影も見え、うまく角度を捉えれば時代劇シーンにも取り込めそうだ。
港を見下ろす泊山の山腹にある海岳寺という寺にも捨てがたい魅力がある。山裾から鐘楼門まで何十段もの石段がまっすぐに伸びている。残念ながら石段の上部には手すりが設けており、時代劇に使うわけにはいかないが、坂道の多い海沿いの街の古刹といった風情で、花桶を手に墓参に向かう着物姿の女性の背をカメラで追いたいという誘惑に駆られる。
岩山という特徴を生かした庭園にも味わいがあるが、寺の裏手に広がる野菜畑も面白い。山の一部を開墾して畑にしたのか、空がうんと近く、視界を遮る人工構造物もないので、多彩な場面設定ができそうである。畑の南には的形の港や海を一望できる一画もあり、申し分のない景色が迎えてくれる。いろんな捉え方で迫れる個性ある港町と言えそうだ。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
第67回姫路お城まつり〜白鷺の新たな歴史を君の手で〜 開催について
姫路最大の市民まつり「姫路お城まつり」を今年も5月20日(金)から5月22日(日)までの3日間、姫路城周辺で開催します。
今年のお城まつりは「白鷺の 新たな歴史を 君の手で」をキャッチフレーズに、20日(金)は姫路城三の丸広場で姫路城薪能が開催され、21日(土)はオープニングセレモニーの後、パレードやステージイベント、総踊りなどが行われます。22日(日)は、ひめじ良さ恋まつりや子どもたちが楽しめるキッズイベントなど、楽しいイベントが盛りだくさんです。
1 | 開催日 平成28年5月20日(金)〜22日(日) 3日間 | ||||||||||||
2 | 開催場所 姫路城周辺(姫路城三の丸広場・大手前通り・大手前公園・商店街等) | ||||||||||||
3 | 主催 姫路お城まつり奉賛会・姫路市 | ||||||||||||
4 | キャッチフレーズ 白鷺の新たな歴史を君の手で(しらさぎの あらたなれきしを きみのてで) | ||||||||||||
5 | 主なイベント
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6 | 連絡先 姫路お城まつり奉賛会事務局(姫路市観光振興課内) 電話079-287-3652、ファクス079-287-3657 |