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2015/09号

多くの伝説に彩られた旧街道筋の町並みと神社

(姫路市青山)


青山地区の町並みと神社


稲岡神社


人丸神社

 古より交通の要衝であった姫路には幾つもの街道が交わっていた。中世以降は海岸部を縦貫して西国につながる旧山陽道(西国街道)と、姫路から分岐して美作国(岡山県)を経て因幡国(鳥取県)に向かう旧美作道(因幡街道)が主なものとなったが、今回紹介する青山地区はその旧山陽道沿いに位置している。

 市内の旧街道筋と言っても、大半はすでに面影もないが、かろうじて面影を留めているのが旧山陽道の夢前川東岸の下手野から西岸の青山に至る道筋で、青山の国道29号との分岐点には安政2年(1855)建立の五角柱の道標が今も残っている。

 旧山陽道はその道標から西に向かい、古刹教専寺から漆喰壁に虫籠窓の古い家並みの間を抜け、稲岡神社の大鳥居の前に出る。播磨国風土記に登場する稲牟礼(いなむれ)の丘に比定されている稲岡山の麓に鎮座する神社で、鬱蒼と生い茂る木々を背に、静かに佇む姿にはどこか幽遠な趣すらある。

 稲岡神社に向かって右に末社の稲荷社、左に摂社の金刀比羅社があるが、古寂びた金刀比羅社のお社が稲岡神社の旧社殿。柱と柱の間から素通しになった3つのお社が形づくる空間が実に味わい深く、映像的にも不思議な感覚をもたらしている。

 ただ青山は商業地、住宅地として発展が著しい地区だけに、神社の足元にはぎっしりと人家が建ち並び、時代物の舞台にするためにはアングルが限られるのが残念だが、うまく絞り込めば、ある程度まで時代を遡ることができそうである。

 青山の魅力にはもう一つ、この地が多くの伝説に彩られていることがある。稲岡神社から西に向かうと、妻見ヶ岡と呼ばれる小高い丘の上に摂社の人丸神社がある。歌人として有名な柿本人麻呂を祭神とする神社で、人麻呂が播磨守であったとき、この岡に住居を定めたという。そして、大和の旅先にあるとき、妻が石見国からはるばる訪ねてくる夢を見て、この地に引き返し、妻を見たとの伝説が残っているのだ。

 また、稲岡山の東麓には和泉式部ゆかりの〓腰掛け石〓がある。和泉式部が上東門院(中宮彰子)の伴をして書写山円教寺に性空上人を訪ねていく際、柿本人麻呂もよく歌を詠んだという〓歌書ヶ淵〓にあった大きな岩に腰をかけて、自らも歌を詠んだという言い伝えがあり、今も大きな歌碑と路面にそれらしき石が残っている。

 ほかにも旧青山村庄屋屋敷跡や、黒田官兵衛が初陣を飾った古戦場跡、稲岡神社の絵馬堂に収められていた「お蔭参り図絵馬」嘉吉の乱の後、一時播磨国守護になった山名宗全が建立したという宗全寺跡など、青山には伝説や話題の地が数多く残っており、古い家並みや旧街道の道標なども見られるので、「街道をゆく」的なドキュメンタリーの舞台としてもお薦めである。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

夢前スマートインターチェンジ いよいよ供用開始!塩田温泉に行こう。


夢前スマートインターチェンジ


上山旅館


夢乃井

 「夢前(ゆめさき)スマートインターチェンジ(IC)」が2015年9月26日(土曜)午後3時に開通します。
 これにより、高速道路へのアクセスが向上し、姫路市北部の書写山や塩田温泉などの観光がより身近に行くことができるようになります。
 特に今回設置されるスマートインターチェンジからわずか数分の場所には播磨の奥座敷と称される『塩田温泉郷』があります。これからの秋の観光シーズンにおすすめのスポットです。
 皆さんも是非訪れてみてください。

【湯元上山旅館】
〒671-2112
兵庫県姫路市夢前町塩田287
TEL.079-336-0020
FAX.079-336-1887
 http://www.ueyama-ryokan.com/

【里湯ひととき 夢乃井】
〒671-2103
兵庫県姫路市夢前町前之庄187
TEL(079)336-1000
FAX(079)336-1027
http://www.yumenoi.com/
【大阪予約センター】
TEL(06)6371-7036
FAX(06)6372-0686

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