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2015/06号

切り取れる多彩な絵。コスパに優れた浜手緑地「中島東地区」

(姫路市飾磨区)




 姫路市の海岸部、白浜町から広畑区にかけて樹木が生い茂る緑地が続いている。姫路市に限らず工場地帯を抱える自治体では、1960年代から大気汚染や騒音などの公害対策として工場地帯と住宅地域の間に「緩衝緑地」が設けてきたが、「浜手緑地」と総称されるこの緑地もその1つである。

 中でも今回、ロケ地候補として紹介したいのは同緑地の東の方に位置する「中島東地区」。1970年代に整備された緑地で、すでに40年以上がたって、自然の森と見まがうほどの多種多層の樹林帯を形成しており、独立行政法人建築研究所が「緩衝緑地整備における事業効果の分析と樹林構造の評価」(2008年)の中で大きく取り上げているほどである。

 前置きが長くなったが、東西に長い「中島東地区」の緑地を西側から概観してみることにしよう。

 飾磨警察署の南から緑地に入っていく。すぐ北側が国道250号だが、車の走行音などはまったく聞こえず、市街地の中の緑地とは到底思えない。

 東向きに歩いていくが、最初の頃は舗装された幅員2mほどの散策路の両側に高木の樹林帯が続き、よく手入れされているので高原の別荘地を歩いているような雰囲気。針葉樹ではなく常緑広葉樹と落葉樹の混交なので信州の、というのは無理だが、伊豆あたりの別荘地という設定には対応できそうである。

 しばらく行くと、樹林帯は密林といった感じに変わる。こちらはあまり手入れされていないのか、木々の間に下草が生え放題で、枝と枝が絡まって陽射しも入り込まないような感じ。それが逆に陰鬱さを醸し出し、時代劇にも使えそうな雰囲気である。

 さらに進んで行くと景色は一変する。樹林帯が途切れ、空が丸く切り取られ、足元を芝生が覆う平坦な空間が右手に現れる。先程までの陰鬱さが嘘のような明るさで、まるでどこかの別荘地の芝生のようにも見える。風も、光も、緑も快適、なのである。

 そこを過ぎるといかにも都市公園といった感じで、ゲートボール場やサッカーなどに供用される多目的広場などが続くが、面白いのが南側に広がる池。ヨシが自生しているかなり広い池で、野鳥の観察施設以外には人工構造物がなく、周囲の自然と一体化しているのでいろんなシーンに使えそうである。

 道路を挟んださらに東側は難破船などの大型遊具がある子ども用の公園で、ここもアングル次第で多彩なシーンが描けそうである。

 ざっと概観してきたが、移動もなく、一ヵ所でさまざまな絵が切り取れるという点で、コストパフォーマンスに非常に優れたロケ地だと言えるだろう。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

【映画「駆込み女と駆出し男」の特別パネル展示in圓教寺】



 姫路フィルムコミッションが撮影を支援した映画「駆込み女と駆出し男」が5月16日(土)から劇場公開となりました。

 姫路フィルムコミッションでは、映画「駆込み女と駆出し男」とのタイアップ企画として『特別パネル展示in圓教寺』を開催しています。

 圓教寺で撮影した役者さんのシーンを始め、姫路のエキストラさんのロケの様子なども紹介しています。

 パネル展示をご覧になったあとは、原田眞人監督が惚れこんだ圓教寺のロケーションを歩いてみてはいかがでしょうか。

【日時】開催中〜8月31日(月)
【場所】書写山圓教寺 三つの堂(食堂内)
【料金】無料 ※圓教寺まではロープウェイと志納金が別途必要

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