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2014/11号

時代や場面―幅広い設定に対応できる印鐸神社への参道

(姫路市四郷町)




 映像関係者から「道」というテーマを与えられることがある。曰く「武士や町人が行き交う時代劇にぴったりの道はないか?」「どこか懐かしい農村風景に寄り添う田舎道はないか?」「車のCMに使えそうな空が低く、海が望める道はないか?」等々で、これらは我々もよく知る城郭や寺社仏閣などと違ってすぐに思い当たるわけではなく、「たまたま見つけた」という偶然性に拠るところが大きい。今回紹介する道もたまたま見つけたもので、「(ロケハン)案内人冥利」に尽きる偶然の産物といえる。

 見つけたのは姫路市の中心部を流れる一級河川市川の東岸、旧山陽道(西国街道)が通る四郷町山脇の集落西側の山腹に鎮座する印鐸(いんたく)神社に至る参道で、細い道の両側には鬱蒼と生い茂る竹林が続き、「昼なお暗き」という雰囲気を醸し出している。もちろん、人工構造物などは一切見当たらず、時代劇の一場面など、さまざまなシーンを思い浮かべることができる。

 印鐸神社は古い由緒のある神社で、竹林を抜けると安永元年(1772)の銘がある石鳥居が立ち、社殿に向かう石段が続くが、残念ながら真ん中に鉄製の手すりがあり、社殿も屋根の修理中のようで、このあたりは使えないが、迂回して社殿に向かう道がある。山の雑木林を背景にした素朴な土道で、道幅も2メートル余りあり、江戸時代の街道といった雰囲気。木々の陰から抜刀した侍たちがいきなり出てきて、乱闘にというシチュエーションなどにも対応できる。山中の道には違いないが、県道517号からすぐの場所にあり、足回りが良いのも嬉しいところだ。

 また、麓には宝暦12年(1762)銘の石鳥居がある神明社という小ぶりな神社がある。門前の物置のようなプレハブ小屋が残念だが、白壁の塀や素朴な造りの社殿、水が枯れた境内の池泉などには心惹かれるものがある。

 山脇の共同墓地に入っていく農道にも味わいがある。たまたま訪れたのが秋10月ということもあったが、道の脇にはたわわに実をつけた柿の木が佇み、少し色づき始めた木々の間を別の畦道が続くなど、どこか懐かしい農村風景が展開している。もちろん、新しい住宅も散見されるが、狭い路地が入り組んだ山脇の集落も時代が引き戻された感じで、ちょっぴり感動的ですらあるのである。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「文化・食欲の秋!をめいっぱい楽しもう。」(姫路城・姫路市内・家島)



 今回は、文化の秋・食欲の秋ということで、姫路城をいつもと変わった目線で楽しめる姫路城物語2014と、姫路の美味しいグルメをご紹介します。

 2015年3月27日の姫路城グランドオープンを前に、「姫路城物語2014 蘇る世界遺産!ようこそ、新姫路城へ。」をテーマとして「姫路城物語2014」が開催されます。参加者から募集した姫路城の思い出写真を用いた「フォトモザイク」の制作をはじめ、クイズ、手裏剣投げ、弓矢体験、甲冑・忍者衣装着付け、投扇興などの体験型イベントや、姫路城つわもの隊パレード、甲冑忍者ショー、槍の演技などの見て楽しむイベントなど、盛りだくさんな内容です。あらためて、姫路の歴史や文化を楽しむことができますので、是非足をお運びください。

【姫路城物語2014】
開催日時:11月1日〜30日の日曜と祝日  9:00〜16:00
開催場所:姫路城有料区域および周辺
料金:無料 ※姫路城有料区域内は別途入城料が必要(大人400円、5才〜中学生100円)
お問い合わせ:姫路市観光交流推進室 TEL:079-287-3652

 続いては、食欲の秋!姫路といえば、ワンコイングルメが豊富なのが特徴です。
 駅地下にあり、50年以上愛されてきた明石焼きや、ホーム内で食べる情緒あふれる立ち食い駅そば。やきとり屋さんではどの店も定番化しつつある、ひね鳥をポン酢であえたひねポンに、餡子がたっぷり入った御座候など…ワンコイン以内で食べられるお手軽さが魅力のグルメがたくさんあります。

 また、姫路市は播磨灘に面する土地柄から、前どれの魚を豊富に使ったグルメも堪能できます。秋から冬にかけては鯖やワタリガニ・たちうおなどが獲れ、その食べ方も独特です。鯖はしゃぶしゃぶやお刺身で食べられるほど新鮮で、ワタリガニはまるごと一匹ゆでて食べるのがオススメ。新鮮な魚は姫路市白浜町の妻鹿漁港内にある直売所で購入することもできます。

 また、ちょっと足を延ばせば、姫路港から高速船でわずか30分足らずで家島諸島に到着。島でしか味わえない食べ方で海の幸が堪能できます。

【妻鹿漁港内直売所】坊勢漁業協同組合  TEL:079-246-4199
          家島漁業協同組合  TEL:079-325-0007
          姫路市漁業協同組合 TEL:079-227-1639

【家島の観光】家島観光事業組合  TEL:079-325-8777

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