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2014/10号

「提灯祭り」で知られる由緒ある神社と一面のレンコン畑

(姫路市網干区)




 姫路市南西部の網干区宮内に鎮座する魚吹(うすき)八幡神社。毎年10月21・22日に催される「提灯祭り」の異名を持つ秋季例祭風流でつとに有名だが、古い由緒を伝える神社だけに、その佇まいにも味わい深いものがある。

 神社の西、県道の宮内交差点を東に折れると石畳の参道が始まり、大きな石鳥居が現れる。秋季例祭の際には屋台や檀尻の練子たちのための休憩所となる両側の民家には、そのためか塀が設けられておらず、より広く感じられる参道は白っぽく光る石畳のせいもあって不思議な開放感に満ちている。

 やがて神社の趣のある築地塀が見え、少し進むと左手に風格あふれる雄大な楼門(三間一戸楼門)が姿を見せる。建立年代は不明だが、鬼瓦および丸瓦に「貞享三年」(1686)の銘があり、あるいはその頃に建立され、後に再建されたものかもしれないという。とにかく堂々たる門で、門前の石灯籠や、背後の豊かな緑とも相まって、圧倒的な存在感を醸し出している。

 門を潜った境内も広く、社務所など一部の建物こそ新しいものの、正保2年(1686)の再建と伝えられる本殿や摂社・敷島神社本殿(いずれも県指定文化財)、厳島神社の参道橋付近などは古の雰囲気を今に伝え、背後に高層の建物も見受けられないので、アングルによってはかなり時代を遡ることもできる。歳月を経た古木が多く、濃い緑の蔭と静謐に包まれているのも映像的にはうれしい。楼門よりはかなり小ぶりの通用門や西門の付近も絵になる。

 絵になるといえば、もう1つ、神社から東へ歩いて数分行ったところにあるレンコン畑もご紹介しておきたい。
 「姫路れんこん」というブランドがあるように、姫路市南西部の低湿地帯は昔からレンコン栽培が盛んで、随所にレンコン畑がみられる。とりわけ有名なのが大津区勘兵衛町だが、周囲の宅地化が進んでいるため広がりがなく、映像的には物足りないのに対して、こちらのレンコン畑は高圧電線が空を覆うだけで、周囲に建物がなく、「どこまでも行っても…」という雰囲気が漂う。空がひときわ広く、低く感じられるのも映像的には大きな魅力。開花時期はすでに終わったが、7月から8月頃なら大輪のハスの花も取り込めるだろう。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「秋の紅葉を満喫!映画やドラマで登場する名スポットをご紹介!!」(書写山圓教寺・好古園)




 今回は、秋の青空にはえる姫路市の名スポットとして、紅葉スポットを2箇所ご紹介します。

 姫路城西御屋敷跡庭園「好古園」は、姫路城の南西に位置し、城や石垣を借景に造られた9つの庭園が魅力のスポットです。江戸時代をしのばせる築地塀や屋敷門などのロケーションを利用し、映画「るろうに剣心」や「幕末高校生」などの人気作品の撮影が行われました。

 武家屋敷の家並みを彷彿とさせる土壁や白壁重厚な屋根瓦が連なる築地塀などセットでは表現できない広がりと質感を醸しています。そんな人気スポットの好古園で幻想的な景色を楽しんでいただけるのが紅葉です。真っ赤に染まるもみじをバックに新たな名シーンが生まれるかも...。

 次にご紹介するのは、姫路市の北部にある標高371mの書写山の山上にある圓教寺。千余年前に性空上人によって開かれた天台宗のお寺で西の比叡山とも呼ばれています。映画「ラストサムライ」や大河ドラマ「軍師官兵衛」のロケ地としても有名です。
広大な境内には、歴史ある建物が立ち並び、一つ一つの景色が絶好のロケーションとなっています。

 また、作品の時代背景に合わせて一か所で様々なシーンが撮影できるのも書写山のもう一つの魅力です。

 そんな書写山圓教寺の名スポットは、『摩尼殿』です。舞台づくりの建物からは、正面に色とりどりの紅葉を楽しむことができます。また、山道内の随所に真っ赤に染まった紅葉があり、秋の紅葉の時期には、人気の観光として、賑わっています。

 是非、姫路市の紅葉の名所へお越し下さい。


<好古園>
[TEL]079-289-4120 [所]姫路市本町68 [時]9:00〜17:00
[休]12月29・30日 [¥]一般300円、小・中学生150円
[交]姫路駅から徒歩約15分。神姫バス「姫路城・大手門前」下車すぐ。

<書写山圓教寺>
[TEL]079-266-3327 [所]姫路市書写2968 [時]8:30〜17:00(季節によって変動)
[¥]拝観志納金 500円 
[交]JR姫路駅より神姫バス約25分書写駅下車、ロープウェイで山頂まで約4分(有料)

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