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2014/09号
重厚な社殿と山頂からの大パノラマ。高岳神社と蛤山
(姫路市西今宿)
姫路城下を西へ、国道2号より一本北を走る旧西国街道に沿って、龍野町、東今宿、西今宿と進んでいくと、「式内高岳神社」の道標が立っている。そこから北へ10分余り歩けば高岳神社の参道で、風格のある石鳥居と常夜燈が迎えてくれる。参道を進むと、その先に天保二年の年号が刻まれた常夜燈がさらにあり、高岳神社が10世紀の延喜式神名帳にもその名が記された、古い歴史と高い社格を誇る神社であることをうかがわせる。
石段を登っていくと驚くほど太いしめ縄が張られた本殿が姿を見せ、背後に回ると「蛤岩」と呼ばれる霊岩が鎮座している。昔、土地の人がこの岩の上で蛤を拾い、福徳長寿の幸を得たとの伝承が残り、岩の上の凹みは四季を通じ霊水をたたえ、その水は潮の干満にあわせて満ち引きするともいわれている。確かに鳥居と玉垣に囲まれた蛤岩はどことなく神秘的で、昨今はやりのパワースポットらしい雰囲気を醸し出している。
この神社や霊岩以上に、魅力に満ちているのが神社の背後の山、蛤山(別名:振袖山)山頂からの眺望の素晴らしさ。神社から歩いて10分ほどで山の頂に出るが、北と西の方角が木の枝で遮られているのを除けば、ほぼ360度に近い大パノラマが待ち受けているのである。
書写山、広嶺山、名古山、手柄山、仁寿山、鬢櫛(びんぐし)山など、市内の主だった山が手に取るように望め、それらの山々に取り囲まれた姫路の市街地が壮大なスケールで広がり、遥か南には瀬戸の海や島々も浮かんでいる。市内のいろんな山や高所に立ってきたが、これほど胸のすく眺望はないといっても過言でない。山頂までは車で行けず、徒歩行を要求されるが、少々重い撮影機材を担いで上っても、きっと〓お釣りがくる満足〓が得られるに違いない。
もう1つ、これは〓おまけ〓のようなものだが、蛤山の東麓にある関西電力の姫路変電所も映像的な魅力を秘めている。市街地の幹線道路から一歩奥まったところにあり、フェンスに囲まれた広い敷地の中に架空送電線、避雷線、変圧器、遮断器などの、おびただしい直線で構成された設備群が不思議な映像美を送り出しており、〓都心の異界〓じみた面白さが感じられる。まさに〓おまけ〓で、具体的にどうのこうのではないが、心に留めておきたい風景である。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「今しか見られない真っ白な姫路城へ行こう!!」 (姫路市本町68)
姫路城の改修工事も山場を迎え、白鷺が羽ばたいたような白い大天守が完全にお目見えとなりました。
今回は、姫路城に来た際には是非撮って欲しい撮影アングルをご紹介します。(大天守内部公開H27.3.27〜)
数々の名作の撮影地となった姫路城は、いつも江戸城として撮影されてきました。江戸城には、天守がないと言い伝えられておりますが、姫路城の堂々と立つ姿が、江戸城をイメージさせるのか多くの作品で登場します。ちなみに、姫路城として出演した作品は、大河ドラマの「武蔵」のみとなります。
まず1つ目は、幅広い世代の方に知られているドラマ「暴れん坊将軍」にて、江戸城として何度も登場した姫路城西の丸から臨む景色。(写真1)。そのほか、映画「大奥 (2006)」の宴の席のシーンでも登場します。
2つ目、軍師官兵衛でも大人気!岡田准一さんが、映画「天地明察」にて江戸城内の職場へ走っていくシーンとして使用された「はの門奥」は、小天守と石垣の重奏を美しく撮影できるスポットです。(写真2)
3つ目、「はの門への坂」では、大河ドラマ「武蔵」の撮影が行われました。唯一、姫路城として登場した作品です。別名「将軍坂」と呼ばれるきっかけとなった、暴れん坊将軍の撮影地でもあります。春〜夏は青葉や桜に隠れている大天守も、秋〜冬にかけては落ち葉となるため坂と大天守を絡めた撮影が行える貴重な時期となります。(写真3)。
このように数々の名監督も魅せられたアングルで、貴方も監督気分に浸りながら姫路城をカメラに収めてみませんか。
<姫路城>
・アクセス:姫路市本町68
「姫路駅」から徒歩20分または神姫バス「姫路城・大手門前」下車すぐ
・施設概要:TEL:(079)-285-1146 <姫路城管理事務所>
・入城時間:通常期(9月〜4月下旬)9:00〜16:00(閉門時間17:00)