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2014/08号

姫路城を望む、「昭和」が薫るレトロな街角

(姫路市白鷺町)




 姫路城の南に「白鷺町」と呼ばれるまちがある。北を家老屋敷跡公園(もっか「ひめじの黒田官兵衛 大河ドラマ館」が設けられている)、東を大手前通り、西を白鷺小・中学校、南を国道2号線に囲まれた矩形(長方形)を成す一画で、正式な住所は「本町68番地」。ただし本町68番地は姫路城やその周辺の文化施設、学校、病院なども含めた約107ヘクタールもの広大な面積を持つ地番なので、便宜上「白鷺町」の通称が用いられているのである。

 戦前まで白鷺町がある一帯は広大な陸軍の練兵場で、戦後その跡地に空襲で家を焼け出された人や外地から引き揚げてきた人たちのための復興住宅が建てられ、人々の生活が始まったという。

 公園や道路の整備・拡張によって、町域は以前に比べてかなり狭くなっているが、昭和40年代頃までは民家に混じって飲食店や食料品店、文具店など庶民的な店舗が建ち並び、昼間は学校に通う小中学生、夜は仕事帰りの勤め人などで活気を呈していた。

 時代が変わり、城の周辺にあった市役所などの官庁がJR姫路駅の南に移り、人の流れが変わったこともあって、ひところの活気はなくなったが、そこかしこに賑わっていた時代の名残、「昭和」の匂いが残っている。

 「路地裏」という言葉が似合う、台所で煮炊きする匂いが流れてきそうな狭い通り。庭が取れない分、軒下に所狭しと並べられた植木鉢。店先に三色のサインポールを立てた懐かしい感じの理髪店。いかにも周囲の雰囲気に似つかわしい「箏・三絃」の看板や、どこか妖艶な「観光旅館」の看板。スナックというより「スタンド」という言葉がぴったりくる小さな飲み屋さんが集まった一画。洗練され、何もかもがスマートになった「平成」の世が失った、泥臭い「昭和」の匂いが今もあちこちに残っているのである。

 もう一つ、注目したいのが白鷺町のほぼ中央を南北に貫く中ノ門筋から姫路城が望めることである。中ノ門筋は江戸時代における姫路城の大手筋なので、当然ながら正面に姫路城が望めるのだが、洗練された大手前通りあたりから見る、観光シンボルとしての姫路城と違って、生活感漂う中に城が浮かび上がり、日常の風景としての姫路城を捉えることができる。何かしらの城下町の物語が紡げそうなのである。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「今、話題の映画の撮影地へ行こう!!」 (姫路市本町68)




 姫路城に隣接する姫路城西御屋敷庭園好古園は、庭園内に築地塀・屋敷門・長屋門や渡り廊下で結んだ2棟の休憩所「活水軒」「潮音斎」をはじめ、お茶室「双樹庵」を配しています。この庭園は、池や水の流れで結ばれた回遊式庭園ですが、最大の特徴は姫路城を借景としていることです。

 園内では活水軒で美しい景色を眺めながらお食事をして頂くこともできます。官兵衛御膳(要予約)や官兵衛弁当など官兵衛に由来のある食べ物を使った料理や、姫路名物穴子を使った料理も楽しんで頂けます。

 このように観光地としても魅力的な好古園ですが、姫路城・書写山に並びロケ隊にも人気の映画の撮影地で、現在公開中の「るろうに剣心 〜京都大火編〜」の撮影や「幕末高校生」の撮影が行われた場所でもあります。

 るろうに剣心では、好古園横にある堀沿いの園路で大久保利通が瀬田宗次朗に暗殺されるシーンを撮影。幕末高校生では屋敷門を勝海舟の屋敷に見立てての撮影といった、どちらも劇中ではキーポイントとなるシーンの撮影が行われました。

 街中にあるにも関わらず、静かで緑が美しい庭園なので、数々の名監督が魅せられたのも納得です。

 この夏、話題の映画のロケ地、好古園に訪れて見ては?

アクセス :姫路市本町68 
     「姫路駅」から神姫バスで約5分
     「姫路城・大手門前」下車すぐ
施設概要 :(好古園) TEL:(079)-289-4120
      4月下旬〜8月31日 開園時間:9:00〜18:00
      9月1日〜4月中旬  開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)
      (活水軒) TEL:(079)-289-4131
     営業時間: 10:00〜16:30(オーダーストップは16:30まで)

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