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2014/05号
杉木立の中に佇む広峯神社平野坂参道の天満神社
(姫路市北平野奥垣内)
以前に黒田官兵衛ゆかりの地として紹介した広峯神社。官兵衛の祖父重隆が御師(おし)と呼ばれる広峯神社の布教師に、神符とともに家伝の目薬を売ってもらうことで財を成し、黒田家の礎を築いたと伝えられるが、神社に向かう平野坂参道の入口にあるのが北平野天満神社である。広峯神社は、江戸中期の地誌『播磨鑑』に「万人、道をあらそいて参詣す」と記されるほど人々の信仰を集めた神社だっただけに、白国方面から登る表参道とは別に幾つかの参道があり、この平野坂参道もその1つ。
姫路獨協大学に向かう途中にある北平野バス停から北に上っていくと2つの溜池があり、池畔には往時の信仰を偲ばせる地蔵堂なども建つ反面、対岸の山裾には新興住宅がぎっしりと建ち並んでおり、映像的にもなかなかの雰囲気なのだが、さらに進んでいくと右手に竹林が開けてくる。あまり手入れがなされていないのか、どこか荒れ果てた感じがするが、その寒々とした光景がかえって魅力的に映る。人工構造物も見当たらず、時代劇の侍たちが刃を交えるシーンにも使えそうである。
竹林を過ぎると、杉木立の奥にひっそりと佇む石の鳥居と社殿が見えてくる。菅原道真を祀る北平野天満神社で、創立年代は明らかになっていないが、石鳥居には文政7年(1824)の、常夜燈には文政6年(1823)の年号が刻まれており、古くから信仰を集めていたことがわかる。広峯神社の摂社、末社の1つだともいわれるが、あるいは広峯神社に向かう参拝客らもまずここで手を合わせ、険しい山道を登っていったのかもしれない。
映像的にも玉垣こそ比較的新しいようだが、全体にしっとりと落ち着いた古寂びた感が色濃く、それを樹齢を重ねた杉木立がさらに引き立てているようで、歴史ものから現代ものまで幅広いシチュエーションに対応できそうである。
神社の左手から平野坂参道が広峰山山上の広峯神社へと続いていくが、ドライブウェイが敷設された表参道側と違って、こちらは徒歩のみの利用。昔ながらの味わいのある山道で、官兵衛や重隆ら黒田家の人々もこの参道を利用したのではないか。そう思える雰囲気を今に残している。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
忍たま乱太郎ミュージアム 絵本原画と忍術の秘密
姫路文学館では特別展「忍たま乱太郎ミュージアム 絵本原画と忍術の秘密」を開催します。特別展では、NHK-Eテレで放送中の人気アニメ「忍たま乱太郎」の世界を、絵本原画と原作者尼子騒兵衛さん所蔵の貴重な忍者道具コレクションなどで紹介します。
●開催概要
- 1.展示コーナー
(1) 尼子騒兵衛作・絵本等の原画約80点
(2) 尼子騒兵衛氏所蔵の忍者道具コレクション(刀、手裏剣、火縄銃、装束など)100点
(3) アニメセル画20点
(4) オリジナルグッズ30点
(5) アニメ「忍たま乱太郎」出演の声優らの色紙10点 ほか
- 2.体験コーナー
(1) なりきりコーナー
忍者服を着て記念撮影ができます。
(2) 顔認識ゲーム「キミはだれに似てる?」の段
カメラの前に立つだけで「忍たま」のどのキャラクターに似ているかを判定します。
(3) 手作りコーナー
忍たま乱太郎のぬりえやスタンプでオリジナルのラミネートカードなどが作れます。
(4) 読書コーナー
展示の原画が掲載された絵本などを自由にお読みいただけます。
(5) ざぶとん忍者コーナー
ざぶとんキャッチや忍者ダンス。親子で体を動かして〈あそび〉の修業にレッツチャレンジ!
- 3.開催期間
平成26年4月12日(土)〜6月8日(日)
午前10時〜午後5時(入場は午後4時30分まで)
※ 月曜日と5月7日休館。ただし、4月28日(月)〜5月6日(火)は休まず開館
- 4.会場
姫路文学館 特別展示室(北館2F)・南館ギャラリー
- 5.料金
観覧料 一般500円、大学・高校生300円、中学・小学生200円
※20名以上の団体は2割引 ※常設展との共通券で2割引
- 6.主催
姫路文学館、NHK神戸放送局・姫路支局、NHKプラネット近畿
- 7.問い合わせ
姫路文学館 TEL:079-293-8228