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2014/03号
産廃処理場、太陽光パネル、往時を偲ばせる澪……魅力多彩な塩田跡
（姫路市大塩町）
日本の製塩の歴史は、奈良時代に僧行基が的形浜に古代塩田を開いたのが始まりで、江戸時代初めに高砂の荒井で入浜式塩田が開発され、これが赤穂を初め瀬戸内海沿岸各地に広まったと伝えられている。
入浜式塩田は昭和３０年頃に流下式塩田に取って代わられるが、整備された塩田の中に巨大な枝条架が整然と連なる光景は姫路市臨海部の1つの風情でもあった。
その後、塩田はイオン交換膜製塩法の出現によって全国的に廃止され、多くが宅地や工場用地に変わったが、的形から大塩にかけての塩田跡は、計画こそいろいろとあったようだが、開発は進まず、冒頭に書いたように荒涼とした雰囲気をたたえて佇んでいる。
逆に映像的にはそれが１つの魅力でもあり、トタンのフェンスに囲まれた産廃処理場らしき一画や、沼地と化した塩田跡で風になびくヨシの姿、そこかしこに廃棄された電化製品やさまざまなゴミ、枯れ草の茂みからバタバタと不意に飛び立つ鳥の羽音などは、サスペンスドラマの背景にぴったりとハマる。
塩田跡を整地してメガソーラー施設に生まれ変わっている一角もある。何もない荒地に太陽光パネルだけが空を仰いで並ぶ姿はどこか異質な、地球上のものではない感を与えるが、塩田から景気が右肩上がりの時代には産廃処理場に、エコがもてはやされる現代ではメガソーラー施設にと時代の流れを映し出していて、面白いものがある。
そこから南に進んでいくと、青く染め抜かれた、なぜかメルヘンチックな外観の排水機場があり、その先に海水浴や潮干狩りでにぎわう的形の海岸がある。海浜植物の群落が見られる広々とした砂浜が続き、遠くには瀬戸の島々も望め、荒涼とした異質な風景を見続けてきた目と心をようやく和ませてくれる。
かつての塩田を偲ばせる遺構も、ごくごく一部だが残っている。塩田には澪（みお）という水路が設けられ、塩を積み出す荷船などが行き交っていたのだが、その１つがシーサイドゴルフコースの東端から北に上がったところにある中澪。中澪は県花ノジギクの自生地としても知られるが、塩田時代の水門や崩れかけた澪の石垣がなど残り、ここだけ切り取れば「昭和」が見えてくる。
いずれにせよ、ここに来て何を感じるか、見る方に任せたいと思うほど多角的な魅力が詰まったロケ地だと言えるだろう。
姫路へ行こう！今月の話題はこれ
「春の姫路城周辺イベント」
寒い季節も終わり、ようやく暖かくなってきました。さくらの時期ももうすぐです。姫路城やその周辺では、この時期に様々なイベントが行われます。ぜひ、春の姫路へお越しください。
○姫路城観光会
播磨の春の風物詩として「日本の桜の 名所100選」にも入っている会場では、 100面に及ぶ華麗な琴の演奏や勇壮な和太鼓演奏が繰り広げられます。また、観桜会開催日に限り、動物園が無料となります。
・日 時 4月5日（土） ※雨天 6日（日） 10：00〜16：00
・ お茶席 10時〜
・ セレモニー・舞台催し 11時〜
・場 所 姫路城三の丸広場
・内 容 100面琴の大演奏、和太鼓演奏、お茶席、地酒・飲食コーナー、
官兵衛PRコーナー
○姫路城夜桜会
姫路城西の丸庭園で「花あかり〜姫路城夜桜会〜」が開催されます。普段は入ることのできない夜の西の丸庭園が特別に無料開放されるほか、桜がライトアップされ、昼間とは違う幻想的な雰囲気を楽しめます。
・日 時 4月4日（金）〜4月10日（木） 18：00〜21：00
※雨天中止の場合あり
・場 所 姫路城西の丸庭園
・内 容 18：30〜20：00の2回開催(30分）
4日（金） 高山真純 オカリナ演奏
5日（土） 東川 幸嗣 ジャズ
6日（日） 姫路邦楽文化協会 菊多裕社中 琴
7日（月） 諷雅 クラッシック・ポップス
8日（火） マリア味記子 マリアハープ弾き語り
9日（水） 利紗 ギター弾き語り
10日（木） TA・KU・MI 笛・和太鼓・ピアノ
○姫路藩和船｢はりま｣乗船体験
平成２５年３月に完成した姫路藩和船「はりま」を活用し、姫路城内堀にて、船上より、姫路城の石垣が間近で見学できます。
・日 時 3月 １日（土）〜3月16日（日）の土日祝
3月21日（祝・金）〜4月20日（日）毎日
4月26日（土）〜11月30日（日）の土日祝
・時 間 約30分程度（1日10〜12便）
・定 員 1便あたり12名まで
・料 金 大人1,000円、小人（12才以下）500円
・受 付 姫路城武者溜り（好古園東側付近） 当日9時00分より受付（当日のみ）
・問合せ 姫路藩和船建造委員会 事務局（OKUMURA BOAT内）電話079-254-5630
