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2013/12号

黒田官兵衛ゆかりの地(11) ・ 姫路市亀山

(姫路市亀山)




 明治初期に生野鉱山と飾磨港を結ぶ物資輸送専用道路として敷設された「銀の馬車道」のすぐ西側にある亀山御坊本徳寺。浄土真宗本願寺派の寺だが、官兵衛とも因縁浅からぬ「英賀御堂」をそのルーツとする。

 5月号のロケハン案内でも紹介したように、官兵衛の時代、姫路の南西に位置する英賀には伊予の豪族河野氏の一族である三木氏の居城があり、播磨本願寺門徒の拠点である英賀御堂(英賀本徳寺)を中心に寺内町としても栄えていた。

 城主をはじめ一般庶民までが熱烈な門徒で、本願寺とそのネットワークの壊滅を図る織田信長に対して最後まで抗戦するが、天正8年(1580)4月、官兵衛も加わった秀吉の軍勢によって遂には攻め滅ぼされてしまう。

 このとき、秀吉の戦後処理によって多くの寺院が解体され、英賀の外に移されたが、英賀御堂もまた亀山に移され、今日に至った。

 前置きが長くなったが、本徳寺は今も浄土真宗本願寺派の別格本山として重きをなし、県・市指定文化財の多くの建造物が風格ある佇まいを見せている。

 たとえば県下最大の仏堂である本堂。元は幕末に一時、新選組の屯所となった西本願寺の北集会所(しゅうえじょ)で、明治初年に移築されたものだが、北側の柱には新選組の隊士が振り回したと思われる無数の刀傷も残っている(ちなみにNHK大河ドラマ「新選組」のロケも本徳寺で行われた)。

 隣接する大広間は、県下に数少ない書院造の対面所で、上段と下段に分かたれ、時代劇で見かける将軍が諸大名と対面するシーンを彷彿させる。

 大広間の北にある庫裏も入母屋造切妻の壮大な建物で、近年の屋根の葺替工事の際、一部に室町時代の特徴を持つ瓦が葺かれていたことが判明している。

 また、城郭のようにも見える太鼓楼も建築年代は明らかではないが寺内で最も古い建造物で、そもそも太鼓楼は敵の攻撃を察知し、万一の場合は太鼓を打ち鳴らして急を知らせる見張り櫓の役割をもっており、10ヶ所あった英賀城の木戸口にもこうした櫓が設置されていたと考えられている。寺には「本徳寺移転の時、近在の門徒たちが総出で英賀から亀山まで、一里余りの道の両側に立ち並び御堂の瓦を一枚ずつ手送りして運んだ」との伝えも残っており、この太鼓楼もひょっとして官兵衛の時代の……と思うと何やらロマンがかきたてられる。

NHK「黒田官兵衛」関連番組の放映について

今後、NHKにおいて、黒田官兵衛に関連する様々な番組が放映されますので、是非ご覧ください。なお、放送が急遽変更になることもありますので、予めご了承ください。

・ひょうご官兵衛を訪ねて(志方城) 
  12月13日(金)午前10時55分〜10時58分【総合】
・ひょうご官兵衛を訪ねて(青山古戦場:再放送)
12月13日(金)午後7時55分〜7時58分【総合】
・ひょうご官兵衛を訪ねて(志方城:再放送) 
 12月19日(木)午後7時55分〜7時58分【総合】
 
・ザ・プロファイラー スペシャル「黒田官兵衛の夢と野望〜天才軍師の波乱万丈人生〜」
 1月1日(水)午後5時〜6時【BSP】※岡田准一出演
・歴史秘話ヒストリア 新春スペシャル 官兵衛“お宝”出世すごろく(仮)
 1月4日(土)午後9時〜10時【総合】
・SWITCHインタビュー達人達SP「岡田准一×五嶋龍」
 1月4日(土)午後10時〜11時【Eテレ】※岡田准一出演
 
・大河ドラマ関連番組「軍師官兵衛」(第1回「生き残りの掟」)
 1月5日(日)午後8時〜9時【総合】
・大河ドラマ関連番組「官兵衛紀行」(第1回 広峯神社・御師屋敷)
 1月5日(日)午後8時58分30秒ごろ〜9時【総合】
 
 上記のほか姫路支局では、12月5日より、毎週木曜日のNHKニュース神戸発(午後6時  10分〜)において、「官兵衛参上」コーナー(3分程度)で、官兵衛関連情報を発信します。

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