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2013/06号

黒田官兵衛ゆかりの地(5) ・ 姫路市書写

(姫路市書写)




〜東西からの挟撃を恐れ、秀吉が一時本陣を移した古刹・書写山円教寺〜


 官兵衛ゆかりといっても、これまでに紹介した御着城や広峯神社のように黒田家発展の礎になった地でもなく、青山や英賀のように官兵衛の戦場(いくさば)になった所でもないが、天台宗の三大道場の一つで「西の比叡山」と呼ばれ、西国霊場二十七番札所でもある書写山円教寺もまた官兵衛とのゆかりに彩られた場所である。

 天正5年(1577)10月、播磨入りした羽柴秀吉を姫路城に迎えた官兵衛は、その先鋒となって毛利方の佐用城と上月城を攻略。こうした官兵衛の活躍により、織田につくか毛利につくか迷っていた播磨の諸将も一度は織田につくが、翌年2月に三木城の別所氏が反旗を翻した。この報せに、東の別所と西の毛利に挟撃されることを恐れた秀吉は、官兵衛の進言を容れて姫路城から書写山円教寺に移り、山内の十地坊に本陣を構えたという。

 十地坊の場所については幾つか説があるが、大講堂北東の現在貯水槽となっている場所ではないかと考えられている。山内に数少ない平地で北に眺望が開け、敵対する赤松氏の居城・置塩城が一望できるし、西から攻め寄せてくるであろう毛利勢の動きも見通すことができるからである。

 長く「守護使不入」の権威を誇っていた円教寺サイドからすれば、これは秀吉軍による「乱入」「狼藉」以外の何ものでもなく、事実、兵たちによって仏像や仏具など多くの寺宝が持ち出され、円教寺の食堂に展示されている摩尼殿の旧飾り柱にも小柄で浅井郡某と名前を彫り込まれるなど、狼藉の証が今も残っている。

 よく知られるように、書写山円教寺は姫路城と並ぶ兵庫県下でも屈指のロケ地である。山内には「三つの堂」と呼ばれる、いずれも国重要文化財の大講堂、食堂、常行堂のほか、寿量院、開山堂、金剛堂、法華堂など数々の文化財が建ち並び、豊かな手つかずの自然とともに美しいハーモニーを見せている。

 これまでもハリウッド映画「ラストサムライ」、NHK大河ドラマ「武蔵」、東宝映画「源氏物語 千年の謎」、来年の大河の官兵衛役に決まっている岡田准一主演の「天地明察」などのロケ地になってきたが、山内にはまだまだロケ好適地が数多くある。

 開山堂などがある奥之院は重文の護法堂が工事中のため撮影は難しいが、古寂びた雰囲気が残る仙岳院周辺や行者堂のあたり、秀吉の軍勢が集結するシーンにも使える広さのある金剛堂周辺はお勧めだし、三つの堂や寿量院もいろんな設定で使うことができる。もちろんかつての西国巡礼道(参道)もほぼ昔のまま健在で、1ヵ所に滞在しながらいろんなシーン・場面が描ける、合理的で使い勝手の良いロケ地だとも言えるだろう。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ



 姫路に初夏の訪れを告げる「姫路ゆかたまつり」が6月22日(土)〜6月24日(月)まで3日間開催されます。
 毎年恒例の子どもゆかたパレードや、城南公園の地域ふれあいステージでは黒田官兵衛PRステージや和太鼓演奏、総踊りなど様々な催しが開催されます。

【開催日時】平成25年6月22日(土)〜24日(月)
各日 午後4時30分〜午後9時30分
【開催場所】長壁神社・城南公園・大手前通り周辺
【内   容】
   ■6月22日(土)  
 ○子どもゆかたパレード(午後5時10分〜)
姫路市消防音楽隊を先頭に地元小学生・お城の女王のゆかたパレード
 ○オープニングセレモニー(午後6時〜 城南公園)
黒田官兵衛PRステージ、来賓挨拶等
地域ふれあいステージIN城南(午後5時15分〜 城南公園特設舞台)新舞踊、フラダンス
  ■6月23日(日) 
地域ふれあいステージIN城南(午後5時〜 城南公園特設舞台)
「軍師官兵衛」24騎の陣羽織披露、和太鼓演奏、総踊り等
  ■6月24日(月) 
地域ふれあいステージIN城南(午後6時〜 城南公園特設舞台)
よさこい踊り、韓国民俗太鼓、オカリナ演奏等
  ■6月22日(土)〜24日(月)
商店街イベント(午後5時〜午後9時30分 西二階町商店街、二階町商店街)
※二階町は22、23日のみ
露店の出店(午後4時30分〜午後9時30分 長壁神社・立町周辺・大手前通り大手前公園に約700店舗が出店)
【ゆかた特典】
神姫バス料金半額(姫路駅・JR網干駅・山陽飾磨駅・山陽網干駅発着)
シネ・パレス山陽座、姫路OS、大劇シネマの映画鑑賞料金1,000円
姫路城、天空の白鷺、好古園、動物園、美術館※、姫路文学館※、県立歴史博物館※への入館無料(※は常設展のみ)
姫路駅周辺商店街での販促キャンペーン(割引・粗品進呈等 店舗により異なる)
【お問合せ】姫路ゆかたまつり振興協議会事務局(観光交流推進室内)079-287-3652

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