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2013/03号
黒田官兵衛ゆかりの地(2) ・ 姫路市広嶺山
(姫路市広嶺山)
〜家伝の目薬で礎を築いた黒田家と御師(おし)たちー広峯神社〜備前福岡から姫路にやってきた黒田官兵衛の祖父・重隆は、広峰山(地名としては広嶺山と書く)の山上にある広峯神社に詣でて神主と会い、御師(おし)と呼ばれる人たちに神社の神符(おふだ)とともに家伝の目薬を売ってもらうことで財を成し、黒田家の礎を築いたと伝えられる。
広峯神社は、奈良時代に遣唐使として2度も中国に渡った吉備真備が朝廷に願い出て社殿を造営したのが始まりと伝えられ、京の都で疫病がはやった折、広峯神社の分霊を迎えることで鎮まり、それが現在の京都・八坂神社になったとも言われている。とにもかくにも由緒ある古社には違いなく、薄紅色をした美しい築地塀に囲まれた境内は風格に満ちあふれている。
本瓦葺きの大屋根を乗せた拝殿、その背後の桧皮葺き・入母屋造りの本殿ともに国指定重要文化財で、横幅の広いどっしりとした構えが印象的だが、周囲に点在する苔むした石垣、崩れかかった土塀などが残る御師屋敷(社家)跡もロケ地としての魅力をたたえている。
御師とは、御祈師(おいのりし)とか御祈祷師(ごきとうし)とかの略称で、神社の神符を持って播磨国を初め周辺諸国の村々に頒布して歩き、広峯信仰の普及に努めた一種の布教者でもあった。
鎌倉から室町時代にかけての最盛期には、神社を取り巻くように広峯三十四坊と呼ばれる御師屋敷があったそうで、いずれも神社に参拝に訪れる客たちの宿坊という役目も担っていたので、大広間などがある結構広い屋敷だったようだ。
現在、山上には2軒の御師屋敷が残っているが、その1つの魚住壽太郎宅も高い石垣の上に土塀を巡らせ、千鳥破風の玄関から中に入ると広い畳敷きの部屋が続き、奥の部屋には神殿が設けられている。あるいは官兵衛の祖父・重隆が訪ねた御師屋敷もこうした造りだったのかもしれない。
また、広峯神社へは今はドライブウェイが通るが、農業の神様として信仰を集め、「万人、道をあらそいて参詣す」と、江戸中期の地誌『播磨鑑』に記されるほど参詣客で賑わったところなので、古くからの参道も残っており、こちらもドラマに取り込めるだろう。
広峯神社から峰伝いに東に行けば、これも官兵衛ゆかりの増位山随願寺(官兵衛の叔父の高友が僧となって山内の地蔵院に住んだという)があるが、今はハイキングコースになっているこの道も絵になる。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「春の姫路城周辺イベント」
寒い季節も終わり、ようやく暖かくなってきました。さくらの時期ももうすぐです。姫路城やその周辺では、この時期に様々なイベントが行われます。ぜひ、春の姫路へお越しください。
○ | 姫路城観桜会・お花見太鼓 | |
日時 | 4月6日(土)※雨天の場合は7日(日) 午前10時〜午後4時 | |
場所 | 姫路城・三の丸広場 | |
和太鼓や100面の琴による演奏が行われ、お茶席やお花見だんご・地酒コーナーなどもあり、食でも楽しんでいただけます。 | ||
○ | 花あかり〜姫路城夜桜会〜 | |
日時 | 4月5日(金)〜4月14日(日) 午後6時〜午後9時(入場は午後8時30分)雨天決行 | |
場所 | 姫路城・西の丸庭園 | |
夜間ライトアップされた西の丸庭園の桜を無料でご覧いただけます。また、午後6時30分と午後8時の2回、コンサートも開催されますので、お楽しみ下さい。 | ||
○ | 好古園夜桜会 | |
日時 | 4月5日(金)〜4月7日(日) 3日間 午前9時〜午後8時(入園は午後7時30分まで) | |
場所 | 好古園 | |
料金 | 一般300円、小・中学生150円 | |
姫路城の西隣にある日本庭園が美しい好古園で、園内の桜などを日暮れとともにライトアップします。昼間とは異なった幻想的な風景をお楽しみ下さい。 | ||
○ | 三ツ山大祭 | |
日時 | 3月31日(日)〜4月7日(日) 午前10時〜終了時間は日により異なる | |
場所 | 播磨国総社・大手前公園・三の丸広場周辺 | |
20年に一度の古式ゆかしい祭事。「五種神事」をはじめ数々の記念行事が開催される。 | ||
○ | ひめじぐるめらんど | |
日時 | 4月5日(金)〜4月7日(日) 午前10時〜午後5時(時間延長の場合あり) | |
場所 | 大手前公園西側 | |
姫路城近くの大手前公園で、姫路や播磨各地の「うまいもん」が大集合するイベントです。姫路のグルメが食べきれないほど並びます。 |