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2013/01号
「三ツ山大祭」を迎える播磨国総社と「昭和の残り香」が漂う界隈
(姫路市総社本町)
20年に1度行われる播磨国総社(射楯兵主神社)の「三ツ山大祭」が、今年の3月31日から4月7日まで開催される。三ツ山大祭は、10世紀に瀬戸内海で起きた藤原純友の乱の鎮定を願って行われた「天神地祇祭」が始まりと伝えられ、壮麗な置山が社前に3基造られることからその名があり、伝統の五種の神事など多彩な催しもあって、城下町・姫路のシンボル的な祭礼として今日まで受け継がれてきている。
大祭そのものについては開催日まで待っていただくしかないが、その舞台となる播磨国総社や神社周辺の総社本町と呼ばれる町にもロケハンに訪れたい場所が幾つかある。
まずは、西参道入口に建つ総社御門。朱塗りの国内最大級の楼門で、圧倒的な存在感を示しているが、むしろ映像的に見たオススメは3階の展望フロアからの眺望。(平成の修理中だが)姫路城大天守が窓の向こうにまるで1枚の絵のように映り込み、なかなかの好アングル。姫路城の隠れたビュースポットとしても知られている。
播磨国総社はその名の通り、播磨国内の大小明神174座の神々を合わせ祀っているのだが、神門を潜った境内の中も都心の神社とは思えないほど緑が豊かで、凛とした空気に包まれている。琴平社、鹿島社、案内社八幡宮、稲荷社などが静かに鎮座し、うまく切り取れば趣の違う神社を数カット手にすることができる。
飲食店などが点在する西参道、江戸初期建立の石鳥居が立つ表参道を中心とした総社本町と呼ばれる界隈の町並みにも味わいがある。一帯は戦前までは総社の境内地だったが、敗戦後、外地からの復員者らの住宅が建ち並び、夏祭りや初ゑびす祭りの日などには多くの露店が参道を埋め尽くし、一時は映画館などもあって大いに賑わったところである。それだけに「昭和の残り香」が色濃い店舗や木造住宅が密集する路地などが今も残り、ゆっくりと時間が流れているような雰囲気を醸し出している。
その上、高層ビルやマンションが軒の低い家々を取り囲むように立っているので、いかにも都心に置き去られた下町、といった感が濃厚で、この町を舞台にした「物語」のイメージも膨らんできそうである。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
書写の鬼追い(修正会) <書写山圓教寺>
平安時代に、性空上人によって開かれた書写山圓教寺は、西国27番目の札所であり、「西の比叡山」と呼ばれる天台宗の三代道場の一つです。境内全域が、国の史跡に指定されており、山内には歴史の重みを物語る数々の堂塔伽藍が残されています。
修正会とは、年の始めに去った年の反省をし、新たな年の決意をする年頭の法要のことを言います。圓教寺では、摩尼殿(本堂)と白山権現で赤鬼と青鬼が鬼おどりを舞い、今年の厄払いをしてくれますが、圓教寺の鬼二は角がありません。これは、性空上人の側近として仕え、この山の守護神としてまつられた若天(わかてん)と乙天(おとてん)両童子の化身であると考えられているからです。
参拝者たちの目的の一つは、白山権現の鬼おどりの後にまかれる厄除けの”鬼の箸”です。カラスのサンショウの木を丸く削った白木の棒で、世話人が前殿からまき始めると、両手を空中に伸ばして奪い合いが始まります。白山権現で鬼が厄払いをしている間に、摩尼殿では十数人の僧たちが修正会をおこないます。その後、白山権現でおどった鬼が摩堂尼堂に向い、ふたたび内陣の御堂で鬼おどりを舞います。
【開催日時】 2013年1月18日(金)
【開催場所】 書写山圓教寺 摩尼殿
【開催時間】 午後1時〜
【お問合せ】 書寫山 圓教寺 TEL:079-266-3327