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2012/12号
「市街地の丘」ならではの俯瞰。姫路城も望める薬師山
(姫路市山畑新田)
姫路市の旧市内に『播磨国風土記』に「十四丘伝説」として登場する14の山々が点在している。文字通り大半が標高70mにも満たない丘で、「日女道丘」として登場する姫路城がある姫山、「波丘」に比定されている霊苑のある名古山などが有名だが、今回紹介する薬師山もその1つである。風土記で「琴丘」に比定されている薬師山は、姫路城南西の、かつては商家や町家が建ち並んでいた旧西国街道沿いにあり、平成13年に移転するまで山の東麓には姫路赤十字病院が長い歴史を刻んでいた。
前置きが長くなったが、薬師山の魅力の1つが山上に建つ願成寺である。山の頂近くに本堂や庫裏が連なるが、小ぶりながらとても端整な佇まいで、庫裏の前の味わいのある庭も絵になる。何より魅きつけられるのはその眺望の素晴らしさで、眼下に開ける旧街道沿いの黒い瓦屋根の家並みもさることながら、遠くに姫路城を望む隠れたビューポイントでもある。今は姫路城大天守修理見学施設「天空の白鷺」の素屋根が架かっているため判然としないが、修理を終えたら、「遠くに姫路城を見ながら恋人たちが語らう」というシチュエーションにぴたりとはまるだろう。
この魅力のある眺望は薬師山の至る所で確認できる。市街地にある「丘」なので、家やビルが連なる町並みが手に取るように俯瞰でき、その距離感が文句なしにいい。地方の小都市という設定にどの角度からでも対応できそうである。
もう1つ、山上にある中学校も絵になる。空がうんと近く、緑に囲まれた、青春ドラマのステージにぴったりの環境にあり、ぜひ使ってみたいところだ。
ほかにも山上には薬師山大御岩神社という簡素だが神寂びた神社があり、南側の中腹には赤い鳥居の和国稲荷神社や数体のお地蔵様が見られる。
山の裾野を南北に薬師山隧道(トンネル)が貫通しており、こちらも映像にしたい雰囲気を醸し出している。
JR姫路駅や姫路城からも車で5、6分。アクセスもよく、「こんな街のど真ん中に……」と、きっと驚かれることだろう。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
最新映画のロケ地をめぐる
本年1月に姫路市(好古園・姫路城・姫路公園)で撮影された映画『大奥 〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』が12月22日(土)から全国公開されます。今回は、姫路でロケが行われた話題の最新映画を紹介します。
映画『大奥 〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』(12月22日(土)全国公開)
主人公の右衛門佐には大奥・ドラマ編で有功役を演じる堺雅人が一人二役を演じます。
五代将軍・徳川綱吉は菅野美穂が努め、才色兼備ながらも、徳川の宿命に翻弄される女将軍を熱演。
その他にもかつてない豪華・演技派キャストが集結。ドラマティックに映し出す男女逆転の世界をぜひ、劇場でご覧ください。
姫路での撮影は、好古園の築地塀前で生類憐みの令を町人に知らせるシーンの撮影が行われたほか、姫路城・姫路公園では、大手門付近で大名が駕籠に乗って登城するシーンが撮影されました。
■配給:松竹/アスミック・エース
■撮影日/平成24年1月13日
(C)2012男女逆転『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』製作委員会