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2012/11号

「歴史物に使いたい道」にぴったり。名刹・圓教寺の西坂参道

(姫路市書写)




 康保3年(966)に性空上人が開き、「西の比叡山」として知られる天台宗の名刹・書寫山圓教寺。山上には創建当時を偲ばせる豊かな自然と壮大な伽藍が今も残り、その歴史の重みと端整な佇まいが多くの映像関係者を魅了。これまでにも「ラストサムライ」を初め幾多の作品のロケ地になっているが、今回ご紹介するのは山上へ至る参道の1つ、西坂参道。性空上人が開山の時に上られたという由緒ある参道だが、6本ある参道のうち、寺の許可を得て唯一車で上がれるのがこの西坂なのである。

 兵庫県立大学の東側からしばらく行くと、石鳥居の先に神社が見えてくる。長和年中(1012〜1017)に比叡山の天王神社の分霊を迎えて書写山の鎮守社とした日吉神社で、古寂びた拝殿や本殿、豊かな緑を従えた境内は、住宅街のすぐそばとは思えない静謐な空気に包まれており、心惹かれるものがある。

 神社の右手が十八丁から始まる(その昔、西坂は下り参道として用いられることが多かったので、本堂である摩尼殿から一丁、二丁……十八丁となっている)参道の登り口で、すぐに宗天稲荷大明神の赤い鳥居が見え、ここから見下ろす町並みも絵になる。

 登り口から八丁にかけての参道は急峻な坂道で、大きなカーブが続き、ところどころコンクリートで固めてある。目立たないが電柱も立っているのでドラマの舞台としては制約があるが、七丁あたりに差し掛かると俄然、ロケ地としての魅力が増してくる。

 たとえば七丁にある文殊堂の周辺。性空上人が入山のとき、ここで文殊菩薩の化身とされる老僧と出会い、山の由来を伝えられたという伝説が残るが、堂の周りには石仏や五輪塔が肩を寄せ合うように佇み、どこか物悲しい風情を感じさせている。少し行くと小さな湧水もあり、前掛けをしたお地蔵さんの姿も見える。このあたりの参道は完全な土道で、両側は鬱蒼とした木立。比較的道幅があるので、参勤交代の街道筋という設定も可能だ。

 さらに五丁あたりまで来ると、左手は苔むした山肌、右手は深く切り込んだ谷で、狭い難所で刀を交え、斬られて谷底へといった時代劇によくあるシーンにはもってこいの雰囲気。手つかずの自然が残り、人工構造物の邪魔だてがなく、車で人や機材も運べるという点で、「歴史物に使いたい道」にぴったりのロケ地ではないだろうか。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

姫路城物語2012 ようこそ、歴史のエンターテイメントパークへ!




この秋、姫路城周辺を舞台に、さまざまなイベントが開催されます。
合戦パレードや体験イベントなど、大人から子供まで楽しめるイベントに是非ご参加ください!
【開催期間】 平成24年 11月中の土・日・祝、9日間 開催
【開催場所】 姫路城およびその周辺
【開催時間】 午前9時〜午後16時
【入 場 料】 無料 (※姫路城有料区域内については別途入城料が必要)
【お問合せ】 姫路市観光交流推進室 TEL 079-287-3652
【内  容】
■合戦パレード(11月24日(土) 13時より)
播磨甲冑倶楽部、姫路忍者会、門番さくら組からなる「姫路城つわもの隊」が、和太鼓やほら貝の演奏とともに姫路城から出陣し、商店街を練り歩きしたのちに合戦を開始します。
■姫路城古武道大会(11月25日(日) 12時〜15時15分)
姫路藩に伝わる伝統武道の披露 (姫路古武道連)
■蘇る鷹匠の技(11月25日(日) 12時頃)
泉鏡花の「天守物語」に思いをはせ、当時の鷹匠の姿を再現。 天空の白鷺より白い鷹が姫路の空を舞います。
■スタンプラリー(11月中の土・日・祝)
スタンプを集めて応募すると抽選で豪華賞品が当たります。
■体験イベント
・殺陣、手裏剣投げ体験(三の丸広場)
・甲冑・忍者衣装着付け体験(西の丸)
・似顔絵コーナー(西の丸)
・お茶席(期間中の日曜日のみ)
■鑑賞イベント
・槍の演技(菱の門、大手門、二の丸等)
・忍者ショー(西の丸)
・忍者の出会い頭寸劇(姫路城内のあちらこちらでいきなり忍者が現れます)















●書写山もみじまつり <書写山圓教寺>
金剛堂や十妙院、重要文化財の特別公開をはじめ、書写山の見事な紅葉が満喫できる秋の恒例行事です。
【開催期間】 11月23日(金・祝)〜11月25日(日)
【開催場所】 書写山圓教寺
【開催時間】 午前10時〜午後4時
【拝 観 料】 入山時、志納金500円
【お問合せ】 姫路市観光交流推進室 :079-287-3652
【内  容】
  ■書写山圓教寺文化財特別公開
  ・十妙院及び狩野永納襖絵(県重要文化財)
  ・金剛堂及び天井絵(国指定重要文化財)
  ・本多家廟所(県指定重要文化財)
  ■書写の里・美術工芸館「もみじまつりイベント」 (11月23日(金・祝))
   書写の里ギャラリーコンサート「声楽とフルート、ピアノによるなつかしの音楽」
  (1)13時00分〜14時00分  (2)14時30分〜15時30分
出演:中木村和代(ソプラノ)、上村由佳(フルート)、小林由加子(ピアノ)
※要入館料、事前申込不要 

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