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2012/03号

味わいのある茅葺き屋根の山門と本堂。福本藩池田家の菩提寺「徹心寺」

(神崎郡神河町)




 関ヶ原の合戦の戦功によって播磨52万石の太守となり、連立式天守を持つ白亜の名城・姫路城を築いた池田輝政。池田家はその後国替えとなり、一族は鳥取藩主や岡山藩主となって明治維新まで続くが、唯一播磨にとどまることになったのが輝政の孫、政直を祖とする播州福本藩一万石で、その陣屋跡が神河町福本に残っている。

 陣屋はかつての但馬街道沿いに設けられ、現在その御屋敷のあった跡は、大歳神社の境内地となっているが、御屋敷の主庭園であった池泉回遊式の庭園が今も落ち着いたたたずまいを見せて残っている。池のほとりにたたずむ元禄15年の奉納という石造鳥居 (大正2年に大歳神社旧参道から移設された)や東屋などにも趣があり、境内地も広くて背後が山となっていて「抜け」も充分あるので時代劇ドラマにも耐えられるだろう。

 この御屋敷跡にも増して映像的な魅力にあふれているのが、福本藩池田家の菩提寺である一関山徹心寺。陣屋造営時の創建で、位置的には御屋敷跡から県立神崎高校を間にはさんだ北西の、少し小高くなったところにあるのだが、山門も本堂(兵庫県指定文化財)も全国的にも珍しい茅葺きの屋根で、独特の味わいを見せている。

 寺がある神河町内には映画「ノルウェイの森」やNHK大河ドラマ「平清盛」のロケ地にもなった、ススキの大草原で知られる砥峰高原や峰山高原があるのだが、そこに自生するススキを材料に屋根を葺いているのだという。

 瓦葺きとは違って一見素朴なようにも感じられるが、格調のある質感、柔らかな屋根のラインなどはむしろ豪壮という言葉がふさわしく、深い軒先に目にすることができる障子戸の陰影の美も相まって、雪深い山国にひっそりとたたずむ由緒ある寺院という設定が考えられそうである。

 境内には藩主池田家の墓所もあり、風雪にさらされた墓碑を取り込みながら時代劇シーンを撮影するにももってこい。国道312号がすぐ横を走る至便の地にありながら、まわりに現代的な高層建築物もなく、たとえば藤沢周平が描くところの北国の小藩を舞台にした小説などには、そのまますんなりと溶け込んでいきそう。御屋敷跡も含めて、希少のロケ地といえるのではないだろうか。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「春の姫路城周辺イベント」




 寒い季節も終わり、ようやく暖かくなってきました。さくらの時期ももうすぐです。姫路城やその周辺では、この時期に様々なイベントが行われます。ぜひ、春の姫路へお越しください。

○ 姫路城観桜会・お花見太鼓

日時 4月7日(土)※雨天の場合は8日(日)
午前10時〜午後4時
場所 姫路城・三の丸広場
和太鼓や100面の琴による演奏が行われ、お茶席やお花見だんご・地酒コーナーなどもあり、食でも楽しんでいただけます。


○ 花あかり〜姫路城夜桜会〜

日時 4月6日(金)〜4月15日(日)〔予定〕 
午後6時〜午後9時(入場は午後8時30分)雨天決行
場所 姫路城・西の丸庭園
夜間ライトアップされた西の丸庭園の桜を無料でご覧いただけます。また、午後6時30分と午後8時の2回、コンサートも開催されますので、お楽しみ下さい。


○ 好古園夜桜会

日時 4月6日(金)〜4月8日(日)
午前9時〜午後8時(入園は午後7時30分まで)
場所 好古園
料金 一般300円、小・中学生150円
姫路城の西隣にある日本庭園が美しい好古園で、園内の桜などを日暮れとともにライトアップします。昼間とは異なった幻想的な風景をお楽しみ下さい。


○ ひめじぐるめらんど

日時 4月6日(金)〜4月8日(日)
午前10時〜午後5時(時間延長の場合あり)
場所 好古園
大手前公園西側
姫路城近くの大手前公園で、姫路や播磨各地の「うまいもん」が大集合するイベントです。姫路のグルメが食べきれないほど並びます。

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