メールマガジン
最新の記事
2012/02号
本陣や杉並木の参道、静かな山あいの宿場町「千本」
(たつの市新宮町)
たつの市新宮町千本。最寄りのJR姫新線「千本」駅から徒歩5分ほどのところに、江戸から明治の頃に姫路と鳥取を結ぶ因幡街道の宿場として栄えた千本宿がある。大名らが宿泊する本陣や旅籠屋、商家などが立ち並んで賑わったところで、国道179号から千本駅の手前で少し北に入っていくと、道幅のさほど広くないかつての街道筋が残っている。その中心に位置するのが本陣を務めた内海家住宅。本陣には茶人大名として有名な出雲松江藩主・松平不昧や日本地図を作った伊能忠敬らも泊まったといわれ、街道に沿って土塀を巡らせ、漆喰と板張りの堂々たる長屋門を構えたその姿は映像的にも魅力にあふれている。
風格ある長屋門と、式台玄関を構えて厨子二階に虫籠窓をあしらった入母屋本瓦葺きの主屋は江戸後期の建築とされ、国の登録有形文化財になっているが、今は主屋の座敷で蕎麦や季節の山の幸が味わえるようにもなっている。
内海家住宅から旧街道の面影を残す道を少し西に歩くと、右手に火の見櫓が見え、その傍らに時代を感じさせる下見板張りの千本公会堂がひっそりと建っている。居合わせた人に尋ねると、昭和初期に建てられたものだそうで、残念ながら玄関ドアと窓枠がアルミサッシに変わってしまっているが、車寄せ部分が三角の形をした外観、伝統的な竿縁天井と板敷の床、木製の演台などを残した建物内部が往時を偲ばせ、工夫次第では戦前の公会堂や村の集会場などに演出できそうである。
この千本公会堂から北に上がっていくと、宇府山神社がある。今回の一番の注目がその参道に沿って続く杉並木。道幅2〜3メートルほど、距離にして100メートルほどのまっすぐに伸びた参道の両側に30本以上の杉の木が植わっている。まだ若い木が多いが、手前右側には樹高約22メートル、幹回り約5メートル、推定樹齢300年の市指定天然記念物の大きな杉の木があり、とらえようによっては参勤行列の一行が進む江戸時代の街道に見えなくもないし、目立つ人工構造物もないので時代劇のワンシーンに取り込むこともできる。
ひっそりと静まり返った境内にも大きな杉の木が枝を伸ばしており、本殿、拝殿も歴史を感じさせ、農村歌舞伎の舞台のような建物も見える。侍たちの争闘シーンも描ける広い境内、苔むした狛犬などにもつい目が行く。
ほかにも小さな山あいの村ならではの味わいが随所に見られ、観光地・ロケ地としてはまったく無名だが、それがかえって「手つかずの魅力」になっているようである。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「和船で学ぼう!姫路城」参加者募集!!〜姫路城文化観光学習船(試験運航)〜
姫路市は期間限定で、姫路城の内堀を和船で巡る観光学習船を運行します。通常では見られない角度から姫路城や石垣、姫山原生林等をご覧いただき、姫路城だけでなく石垣を始めとした文化財及びその保存継承に対する理解を促進するため、「和船で学ぼう!姫路城」を実施します。この参加者を以下のとおり募集しますのでお申込みください。
1 運行日 | 平成24年3月17日(土)〜3月29日(木)(雨天中止) | |||||||||||||
9:30〜17:15 1日12便 | ||||||||||||||
| ||||||||||||||
2 コース | 桜門橋横(乗場)〜好古園白壁〜姫山原生林〜桜門橋〜姫路護国神社裏側〜動物園(天空の白鷺展望)〜桜門橋〜桜門橋横(乗場) | |||||||||||||
3 対象者 | 小学3年生以上 | |||||||||||||
※ | 安全確保のためにお申込者のお体の状態により乗船をご遠慮いただく場合がありますのでご了承ください。 | |||||||||||||
※ | 乗船に際しては救命胴衣及びヘルメット着用必須。 | |||||||||||||
4 料金 | 無料 | |||||||||||||
5 定員 | 3名 | |||||||||||||
6 所要時間 | 約25分(約1,400m) | |||||||||||||
7 ガイド | 姫路観光ボランティアガイドの会のご協力により姫路城だけでなく石垣を始めとした文化財等の解説をします。 | |||||||||||||
8 申込方法 | メール・ハガキ・FAXに以下の(1)(2)の事項を記載して申し込んでください。 | |||||||||||||
|
||||||||||||||
9 締め切り | 平成24年2月29日(水)必着 | |||||||||||||
10 結果通知 | 締め切り後、応募者多数の場合は抽選。当選者には参加証を送付しますので、乗船当日ご持参ください。落選された方にも結果を通知します。 | |||||||||||||
11 申込・問い合わせ | ||||||||||||||
〒670-0012 姫路市本町68番地 姫路市観光交流推進室「和船で学ぼう!姫路城」係 Tel 079-287-3652 Fax 079-287-3657 E-mail kankokoryu@city.himeji.hyogo.jp |