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2011/05号

明治の塩務局庁舎がそのまま生きる赤穂市立民俗資料館

(赤穂市)




 忠臣蔵と塩で知られる赤穂市。その製塩の歴史を伝える建物が旧大蔵省赤穂塩務局庁舎。現在の赤穂市立民俗資料館(兵庫県指定重要有形文化財)である。

 庁舎が建てられたのは明治41年(1908)。設計は東京府庁舎や日比谷裁判所などを手がけた妻木頼黄、施工に当たったのは地元棟梁の山本近治らと伝えられている。

 木造瓦葺き一部2階建て、中央部に屋根窓を持つ主屋、西側に方形の塔屋(玄関塔)を従えた洋館で、下見板張りの外壁はパステル調のブルーで統一。主玄関のアーチ状のひさしと華麗な鉄格子をはめた扉、アールを描く通用口に見られるイオニア風の柱など、意匠にも凝っており、明治の名建築の名にふさわしい美しさと品格を醸し出している。その上、前面が道路、さらにその手前は樹木の植わった公園(緩衝地)になっており、「引き」に余裕があるので全景をうまく捉えることができる。

 建物内部もまたすごい。塩務局時代そのままの木枠の受付窓口、天井にメダイヨン(円形浮彫)が施された1階の旧事務所、玄関ホールの上にあるアーチや手すりが施された2階ギャラリー、木製の手すりにアールヌーボー風の装飾が施された廻り階段、2階天井の屋根材を支えるハンマービーム、縦長の木枠の上げ下げ窓など、すべてが優美さにあふれている。

 さらにうれしいのが、旧事務室をはじめ、かつての旧局長室、旧秘書室、旧宿直室など、間取りも塩務局時代のままであること。したがって、明治から戦前にかけての塩務局の内部空間を忠実に映し出すことができるし、同時代のその他の地方官公署という設定でも使えそうだ(ただし、各室とも古い時代の生活用具などが展示してあるので、撮影時にはそれらの整理や撤収が求められる)。

 また、屋根付きの渡り廊下で結ばれた2階建てのレンガ造りの旧文書館も以前のまま。二重扉の入口、太い剥き出しの梁、ねずみ返しが設けられた階段なども絵になる。

 旧文書館の横には旧塩倉庫。外壁は時代を感じさせる煮染めたような色の板壁、内部も太い柱と梁で構成された武骨な建物で、現在は各種資料の収蔵庫になっている。

 これら旧文書館、旧塩倉庫と事務所棟の間に中庭が設けられているが、作り込まれた感がなく、往時の素朴なままという雰囲気。ここからから見る事務所棟の後ろ姿もなかなかのもので、まわりに高層建築物がなく、アングルが制約されることもない。建物を含めた一画が時の流れを押しとどめたまま、といった趣で、稀少のロケ地といえるだろう。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「B〓1グランプリ in HIMEJI」



 安くて地元の人に愛される地域の名物料理や郷土料理を「B級ご当地グルメ」と定義し、その日本一を決める大会が“B〓1グランプリ”。2011年は、姫路が会場となっていまして、開催日は、11月12日(土)・13日(日)の2日間です。
 今回開催する「B〓1グランプリ in HIMEJI」は、近畿・中国・四国地方を通じて初の大会となります。

 その大会に先駆け、近畿・中国・四国地方のB級ご当地グルメが集結する「近畿・中国・四国B〓1グランプリ in HIMEJI」が5月21日(土)・22日(日)に、姫路城周辺で開催されます。
 近畿・中国・四国のB級ご当地グルメ14団体が出展します。B〓1グランプリでおなじみの「横手やきそば」「厚木シロコロ・ホルモン」「甲府鳥もつ煮」「富士宮やきそば」もやってきます。

 姫路のB級ご当地グルメといえば「姫路おでん」です。姫路おでんとは、おでんにしょうが醤油を掛ける独特の食べ方です。ぜひ一度食べてみてください。
 また、同時開催イベントとして、「はりまご当地グルメフェスタ」が開催されます。姫路を中心とした播磨地域のご当地グルメがお楽しみいただけます。
 皆さんのご来場をお待ちしています。なお、会場へは、公共交通機関のご利用をお願いします。
 詳しくは、ホームページをご覧ください。

http://www.b1-himeji.jp/shibu/index.html

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