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2010/11号
景勝の地に静かに佇む「昭和」の面影を残す漁港
(姫路市的形町福泊)
映像関係者から私たち姫路FCに対して、いわゆる昭和レトロを感じさせるロケ地はないかという照会が多いことは先月号でもお話ししたが、その1つに昭和30〜40年頃を彷彿させる漁港はないかという照会があった。姫路市は播磨灘(瀬戸内海)に面しているだけあって港の数は多いが、海岸線一帯は播磨臨海工業地帯に位置しており、そのほとんどは工業港湾である。確かに漁業の島として知られる坊勢島(姫路市家島町)には多くの漁港があるが、いずれもよく整備された今日風の漁港で、係留されている漁船も船体が木製ではなくFRP(強化プラスチック)製のものが大半。漁船が木製からFRP製に移行するのは昭和40年代以降だから、照会のあった漁港に当てはめることはいささか苦しい。
そこで、ようやく昭和レトロな雰囲気を残す漁港として見つけたのが、今回ご紹介する福泊港。奈良時代に僧・行基が開いたという摂播五泊の1つ「韓泊」ではないかともいわれる古い歴史を持つ港で、奇岩・奇石が露出する絶壁海岸「小赤壁」の東端に位置している。
港自体は細長い入江状になっており、係留する漁船の数も多くないが、景勝の地として知られる小赤壁をバックにした港の静かな佇まいは絵になり、漁船の中には昔ながらの木造のものも多く見られるので、時間の流れが今よりもずっとゆるやかだった頃の漁港を彷彿することができる。
また、港の出口からは播磨灘に浮かぶ島々のほか、臨海工業地帯の工場の備蓄タンクなどを映し出すこともでき、高度経済成長の時代にフォーカスすることもできる。
そのほか、漁港の東には海に面した堂内に安置されている八家地蔵や市立遊漁センター、白い砂浜が広がる姫路福泊海浜公園などがあり、このうち八家地蔵は、行基がこの地を訪れたときに、海中に光るものがあり、やがて大亀に乗って地蔵像が現れ、それを安置したものだとの伝説が残るが、石材や彫りの手法などから鎌倉中期の作と考えられている。堂の周囲には人々が寄進した小さな地蔵像が数多く安置され、趣のある情景を醸し出している。
さらに福泊から峠を越えて東に進んだ的形にも2008年6月号で紹介した小さな港があり、板壁の古い民家や倉庫がレトロな味わいを見せている。こちらにもぜひ立ち寄っていただきたい。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「いにしえの姫路城へタイムスリップ! 姫路城物語の4日間」
大天守保存修理が着々と進み、日々姿を変えていく姫路城。大天守は鉄骨に覆われ、まるで籠にはいったような不思議な景観です。でも、姫路城は大天守だけではありません。広大な城内には、国宝・重要文化財に指定された櫓や門がひしめき、時代劇の主人公になった気分で散策できます。
さて、11月20日(土)〜23日(火・祝)の4日間、特別イベント「姫路城物語」を開催します。姫路城内に侍や忍者が出現するばかりか、あなたもお姫様やお殿様に変身!かつての姫路城にタイムスリップしませんか?
○元禄エリア(西の丸庭園)
9:30、11:30、13:30(1日3回)捕り物劇やなんきん玉すだれが登場!
お茶席〓通常は飲食禁止の姫路城内で、優雅にお茶席を楽しめるのは、この4日間だけ。1席(抹茶とお菓子)300円、1日限定500名様。
○侍エリア(二の丸周辺)
10:30、12:30、14:30(1日3回)剣劇を上演、さらに侍があなたに剣術を指南!
似顔絵コーナー〓男性なら侍、女性なら“大奥風”などの髪型で描きます。あなたがもし江戸時代に生まれていれば、こんな感じ?
○戦国エリア(二の丸はの門付近)
11:30、13:30、15:30(1日3回)甲冑隊による出陣劇を上演。
記念撮影〓甲冑武者と記念写真を撮ろう!
○お姫様・お殿様体験コーナー
かつらや着物でお姫様やお殿様に変身、城内を散策しませんか。
1日3組限定。事前申込みが必要です。(1名での応募も可)
申込みは姫路市ホームページから。
http://www.city.himeji.lg.jp/koho/press/_20781/_23344/_23381.html
○いきなり忍者
城内のあちらこちらで忍者が出現!どこで遭遇するかわからないのでドキドキもの。でもご安心ください。一緒に写真を撮ってくれるやさしい忍者です。
上記イベントへの参加には、姫路城入城料400円(5歳〜中学生100円)が必要です。
4日間、姫路城内は侍や甲冑武者、忍者でいっぱい。でもよく考えてみると、洋服を着たあなたより彼らのほうが風景に溶け込んでいますよ。さあ、あなたも姫路城へ!
お問合せ 姫路市観光交流推進室 079-287-3652