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2010/09号
昔ながらの酒蔵と海を望む神社が絵になる海岸沿いのまち
(明石市魚住町)
明石市の江井島から魚住にかけての一帯は良質の水に恵まれ、酒造好適米「山田錦」の産地に近いこともあって昔から酒づくりが盛んで、神戸・西宮の「灘」に対して「西灘」と呼ばれてきた。一般に酒どころには、瓦葺きの大屋根に黒い板壁を巡らせた木造の酒蔵が見られ、独特の風情を醸し出しているが、神戸・西宮の古い酒蔵が阪神淡路大震災で壊滅的被害を受け、多くが新たに建て直されているのに対して、この地方には昔ながらの酒蔵が健在で、一幅の絵になる佇まいを今に残している。
1つは、山陽電鉄「西江井ヶ島」駅から南へ10分ほど歩いたところにある江井ヶ島酒造の酒蔵。約2万坪という広大な敷地に大きな瓦屋根と黒い板壁の築100年前後の酒蔵が数多く残っており、海に向かう道沿いにも古い酒蔵が続き、しっとりとした落ち着きを醸し出している。
もう1つは、西江井ヶ島駅の西隣の「山陽魚住」駅の南西にある茨木酒造の酒蔵。兵庫県の景観形成重要建築物にも指定されている味わいのある建物で、黒い大きな瓦屋根が二層になって連なる北側からの眺めは実に素晴らしく、少し南に歩けば海。造り酒屋を舞台にしたドラマにはぴったりのロケーションである。
この2つの酒蔵のほぼ中間点にあるのが、こんもりとした木立に包まれた住吉神社。神功皇后が新羅への遠征の際、ここに住吉大明神を祀ったのが始まりとされる古社で、中でも境内に建つ能舞台と楼門、社を囲む土塀が深い趣をたたえている。
能舞台は明石藩初代藩主小笠原忠真が寛永4年(1627)に建立したもので、その南にある楼門は慶安元年(1648)に建てられたもの。いずれも歴史ドラマに充分対応できる古色が滲み出ているし、能舞台、楼門、海に面した石鳥居が一直線に繋がるアングルにはハッとさせられるものがある。
さらに境内の南側には松林が続き、石鳥居の先に青い海が広がるというロケーションの良さで、特に夕陽の美しさで知られおり、夕暮れどきの情感を狙いたいところ。周辺に漁村というイメージはないが、松林の南側左手には小さな漁港もあり、うまく生かせば物語が多様に展開する可能性を秘めている。
住吉神社は長さ1m30〓もの花房をつける藤の花でも有名で、その西方には「ぼたん寺」として知られる薬師院もある。花をキーワードにしたCMの撮影なども面白いのではないだろうか。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「姫路城大天守修理見学施設〜天空の白鷺〜」
姫路城大天守保存修理工事が本格的に始まり、工事用の足場となる大天守を覆う素屋根の建設も進んでいます。素屋根の建設後、内部にはエレベータを設置した見学用の施設も来春に完成予定です。
姫路城修理見学施設の正式名称が「姫路城大天守修理見学施設」となり愛称も「天空の白鷺(てんくうのしらさぎ)」となりました。
見学施設は1階が待合スペースとなっており、そこからエレベータに乗ってから7階及び8階の見学スペースに行きます。エレベータも一部シースルー仕様なので、約1分(40m)の上昇の際にも大天守の石垣から最上層までの様子をご覧いただけます。
7階及び8階の見学スペースには見学窓が設置されており、大天守側(北面)からは大天守の最上層の大屋根、唐破風、千鳥破風、漆喰壁などを外側から間近でご覧いただけます。姫路駅側(南面)の眼下には、櫓や門などを含む姫路城下の縄張りの概観、海岸部の鉄鋼・電気機械・化学などの最先端産業やエネルギー産業が躍動する「播磨工業地帯」を、そして遠くには、瀬戸内海に浮か群島を望めます。
見学開始日と終了日:平成23年3月下旬(予定)から平成26年春頃まで
見学施設入館料:大人200円/小人100円(5歳〜中学生)
詳しくは9月下旬に開設予定の公式ホームページをご覧ください
(http://himejijo-syuri.jp)
※この他に、入城口で別途、入城料が必要ですのでご注意願います。
大人400円/小人200円