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2009/08号
中世ヨーロッパの古城を彷彿させる山上の城「白鳥城」
(姫路市打越)
モアイ像、凱旋門、萬里長城、天安門、兵馬俑坑など、コンパクトなサイズで本物そっくりの石像や石造物が建ち並ぶ太陽公園(メルマガ2003年1月号で紹介)の隣接地にある小高い山の頂に、3年もの歳月をかけ今春竣工したのが今回紹介する「白鳥城」。ドイツのロマンチック街道沿いにあるノイシュヴァンシュタイン城(日本語に訳すと新白鳥城)をモデルにしたという巨大な城で、実際の城はバイエルン王ルートヴィッヒ2世が1869年に築城を試み、未完のままに終わったというが、インターネットで検索してみても本当によく似ており、白っぽい輝きを見せながら周囲を見下ろす城の姿はまるで童話から抜け出てきたようで、確かに絵になる。
特に紋章が刻まれた城門を入り、2段に設けられている中庭から見上げる城館、楼塔、外壁の迫力ある構図には圧倒されるばかりで、尖塔や柱、バルコニー、窓などの細部にまで行き渡った意匠(デザイン)の美しさにも目を見張るものがある。
たとえば中世の城館を舞台にした歴史ドラマや群集劇、夢とファンタジーあふれる子供向けの活劇ドラマなどのオープンセットとしてそのまま使えそうだし、オペラやミュージカル、野外劇などの屋外ステージとしても面白い。もちろん、車や飲料、ブライダル関係等の映像コマーシャルの背景としても多様な用途が考えられ、実際に各方面からのオファーが相次いでいるとも聞く。
ただし、建設費用の問題もあったのだろう、細かく見ていけば用いられている建築資材の質感の点で多少の難はある。それだけに質感を含め、それをいかに「らしく」見せるかというのがカメラマンを初めとするスタッフの腕の見せどころとなってくるだろう。
外観だけでなく、吹き抜けになっていて鮮やかな天井画が施されている城館6階の王座の間、人造大理石を用いた祭壇が設けられている7階の大広間など、館内にもロケに使えそうなスポットが幾つかあり、山頂に至るユニークな形をしたモノレールにも注目だが、やはりお勧めは中庭を中心とした外観部分。隣接する太陽公園の多彩な石造物とともに、じっくりとロケハンすることをお勧めしたい。