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2009/06号
黒田家ゆかりの地でもある播磨随一の古刹・増位山随願寺
(姫路市白国)
本堂を初めとする境内の建造物が、国の文化審議会によって国重要文化財への新規指定が答申された増位山随願寺。高麗の僧、惠便が聖徳太子の命により創建し、奈良時代に行基が中興したと伝えられる播磨随一の古刹で、以前にもこのロケハン案内で、随所に残る古い歴史と現代風なドライブウェイや公園が時空を超えて交わるような面白さがあると紹介したが、今回は「歴史ドラマのロケ地」に的を絞って案内していこう。流れ的にいえば、江戸初期に姫路藩主榊原忠次によって再建された本堂や、赤く彩色された唐門が印象的な忠次の墓所、それに開山堂、鐘楼、経蔵などが居並ぶ山内の境内がおすすめということになるが、むしろ映像的に得がたいのは「道」だと思える。
歴史ドラマに往時を偲ばせる街道や道は欠かせないが、今はどこに行っても電柱や電線といった人工構造物が画面に入ってくるし、かといって山の奥まで分け入って撮影するのは時間的にも経済的にもロスが多い。
その点、この随願寺の場合、車を停めて参道入口から五分ほど歩けば、深い木立に包まれた古の街道風の道が出現する。小石混じりの簡易舗装なので、一見土道と変わらないし、ところどころにお地蔵様の姿も見える。残念ながらしばらく行くとドライブウェイの橋脚が現れるので距離的には短いが、市街地からすぐの場所にこうした街道風の道を見かけることは珍しい。
本堂下の梅園を発着点とし、映像的にも捨てがたい姫路藩主榊原政邦の墓所の脇を通って続く東尾根ハイキングコースも往時の街道を偲ばせる。杉などの木立が続く道で、北に視界が開け、遠くに山並み。そこに茶店があってもおかしくない雰囲気で、さらに進んで行くと眺望に恵まれた有明の峰に至る。
実は姫路市は、羽柴秀吉に天下を取らせた戦国時代の稀代の軍師黒田官兵衛(如水)の出身地で、「NHK大河ドラマ『黒田官兵衛』を誘致する会」が発足しているが、この有明の峰には官兵衛の叔父休夢が城(構)を築き、随願寺一帯は後に三木合戦の相手方となる三木城主別所長治と黒田方が戦火を交えたところ。もし官兵衛がドラマ化されれば、外せない場所でもある。
話が少し脇道に逸れたが、このロケハン案内でも機会があれば「官兵衛ゆかりの地」にもスポットを当てていきたい。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「ぼうぜペーロンフェスタ」
ペーロンは、「白龍(パイロン)」「飛竜(フエイロン)」などの中国語がなまったものといわれています。日本へは、中国の競漕が伝えられたもので、江戸時代初期の長崎開港後まもなく始められたといわれています。太陽、竜、波形などを描いた和船に、漕ぎ手や舵(かじ)取り、太鼓打ち、銅鑼(どら)たたきなどが乗る船競技です。
そのペーロン競漕は、長崎市や相生市などで開催されているのが有名ですが、姫路市でも行われています。毎年8月に、家島町坊勢で開催されていまして、今年で19回目となり、夏の風物詩となっています。
市内だけでなく、市外・県外から男女問わず子供から大人まで大勢参加されるアットホームなイベントとなっています。ペーロン船に乗り込み、太鼓のリズムに力を合わせて、水しぶきを浴びながらさわやかな汗をかいてみませんか。今年は、8月8日(土)に、姫路市立坊勢スポーツセンター前で開催されます。
小学生・中学生・一般男子・一般女子・オープンの部の5種目があり、全種目、往復400m(200m折返し)の距離を競います。参加チームの受付は、6月30日(火)までとなっています。詳しくは、ぼうぜペーロンフェスタ実行委員会、電話079-327-1001までお願いします。