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2009/02号
眼前に広がる工場のプラント群。「現代(いま)」を切り取る稀少のロケ地
(姫路市飾磨区)
姫路市には姫路城や書写山円教寺など歴史的遺産が数多く、戦災に遭わなかった城の中濠周辺や海沿いの町にはレトロな雰囲気を残した一画もあり、ロケ好適地が少なくないが、一方で現在の姫路市は播磨重工業地帯の中核都市となっており、そうした時代状況を映像的に切り取れるロケ地もまた少なくない。ただし工場地帯の撮影となると、いろいろと制約も多く、工場内に撮影機材を持ち込むことなどはなかなか許されない。しかも工場の大半は海岸線に張りついており、そこに分け入っていく公道も見当たらない場合が多く、工場内どころか工場やその設備群をシーンの背景に取り込みたいと思っても、(工場の許可を得られる場合は別だが)なかなか実現しないのが現状である。
そんな中で偶然見つけた希有な例が、姫路市の中心部を流れて瀬戸内海に注ぐ船場川河口の西岸。地名で言えば飾磨区入船町で、一応車止めのポールが設けられているが、川に沿って幅3mほどの道が海に向かって途中まで続いている。
フェンス沿いに道を進んで行くと、ヨットやレジャーボートが係留されている一画があり、その向こうに幾つものプラント(工場設備)が建ち並ぶ化学薬品工場が姿を見せる。林立するタンク類、縦横に走る無数のパイプ、随所から立ち上る煙や機械のうなる音……。一般に工場はコンクリート塀に囲まれ、部外者が内部をうかがうことはできないが、この工場の場合、低いフェンスに囲まれているだけなので、視線が「抜け」、存在感のある工場風景が取り込める。
さらに道はフェンスに沿って南に続くが、川の東岸は鉄鋼関係の工場でぎっしり埋め尽くされ、行き止まりになった所からは市の南部美化センターも見え、どこにカメラを向けても活力と殺伐さがない交ぜになった「工場地帯」をリアルに取り込める。
バイオレンスものやサスペンスものなど、潤いや安らぎとは真逆のクールでハードなタッチのドラマにはもってこいのロケーションで、係留されているヨットなどと合わせると、いろんな筋書きが浮かんでくる。
姫路には歴史ドラマだけでなく、「現代(いま)」を切り取る魅力あるロケ地も少なくないですよ──今回の『ロケハン案内』を通した、私たちからのメッセージです。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「姫路のものづくり〜まるごと体感〜」
歴史と文化のまち・姫路は、穏やかな気候の下、古くから栄え、交通の要の地として発展してきました。
現在でも伝統産業から最先端の科学技術を駆使した産業まで、様々な地場産業が営まれています。
姫路市では、観光客をはじめとする地域内外の皆さんに、姫路の企業の高度な生産技術や製品、その生産現場に触れる機会を提供し、姫路の“ものづくり”の心を体感していただく「産業観光」について取り組みを進めています。
鉄鋼・金属・機械、工芸、化学、皮革、食品、リサイクルなどの施設で、一般の方が見学や体験ができる施設があり、姫路の産業観光について広く知っていただくために、姫路産業観光パンフレットが制作されました。ご希望の方は、姫路市観光交流推進室でお渡ししています。ぜひ姫路の歴史・文化、ものづくり、自然などをご堪能ください。
詳しいお問い合わせは、姫路市観光交流推進室 079-287-3652 までお願いします。