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2009/01号
古き良き時代の社屋・事務所風景がそのまま描ける網干商工会館
(姫路市網干区)
レトロな建物を探してロケハンしているときに、外観は古き良き時代を偲ばせているのに、中に入るとすっかり現代風にリフォームされていてガックリ……というケースがしばしばある。そんな中で外観はもちろん、建物内部もほとんど建設当時のままという希有な例が姫路市網干区に残っている。昭和15年に竣工した網干商工会館。網干商工同友会の拠点施設である。2階にバルコニーを設けた突き出しの玄関、はめ殺しの丸窓と四角い窓が印象的な洋風の外観もさることながら、建物内部に入ると左手に事務室、右手の階段下に小部屋があり、中央が廊下になっていて、左右に小会議室や応接室が設けられている。どの部屋も外に面した窓こそアルミサッシになっているが、ドアや窓枠などの建具もすべて木製で、竣工当時のまま。いかにも古い時代の事務所、あるいは病院といった趣で、重厚でがっしりとした机や本箱、姿見(鏡)や木のハンガーといった調度品、事務室、便所と墨書されたプレートまでが昔のままに残っている。
2階へは2ヶ所の階段から上るが、踏み板や手すりももちろん木製で、ギシギシと軋む音をたてながら上ると、すぐ左手に大会議室。手前正面に舞台が設えてある昔の講堂のような感じで、窓のアルミサッシと、腰壁の一部に補修のためにか使われている新建材以外は、網干商工同友会の創立80周年記念誌に掲載されている竣工当時の写真のままである。
格子の天井や窓に設けられたカーテンレール、演台なども昔のままで、ここに木の机と椅子を並べば、戦前の演説会場や祝典会場が即座にできあがる。1階もそうだが、ほとんど手を加えずに戦前から昭和30年代までの雰囲気を描き出すことができるという点では、まさに希有な存在。「よくもまあ残っていてくれた」と思わず抱きしめたくなるような貴重な建物遺産なのである。
以前にも紹介したが、この網干の町は戦災を免れたこともあって、そこかしこに古い民家や商家が残り、セピア色をした風景に包まれた町である。ぜひこうしたレトロな町並みと併せて、網干商工会館へのロケハンをお勧めしたい。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「姫路まちなかあるき」
姫路の南西部に位置する網干地区、「網干(あぼし)」の名の起こりは魚吹八幡神社(うすきはちまんじんじゃ)の放送会(ほうじょうえ)が行われる日、氏子の漁師が殺生をやめて網を干してお参りをしたことから、周辺を網干と称したことによるといわれています。
古くから開発の進んだ地で、江戸時代に至ると当初は姫路藩領でしたが、のち天領・龍野藩領・丸亀藩領等に分かれるなど複雑な様相を示しました。古社・古寺も多く、文化財に富んだ地域となっています。
その網干地区を、マップ片手にのぼり・タペストリーを目印に歴史・文化に触れ感動体験をする、姫路まちなかあるき「播州網干 歴史・文化ウォーク」が実施されます。
■実施日2月15日(日)
■定員200名
■集合〓JR網干駅・午前9時
〓山陽電車網干駅・午前9時半
■参加費用・無料
コースは、町家、寺社、うまいもんめぐり!!などとなっています。
参加申込が必要でして、締め切りは1月23日(金)です。
氏名・年齢・集合解散場所・住所・電話番号を記入して、郵便・ファックス・eメールで、申込ください。
申込先
■〒670-0012姫路市本町68番地・姫路市観光交流推進室
■ファックス079-287-3657
■eメールmachiaruki@city.himeji.hyogo.jp
■お問合079-287-3659
詳しくはhttp://www.city.himeji.lg.jp/contents/matinaka/