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2008/09号

表情豊かな七種の滝と、道すがらの歴史と趣のある風情

(神崎郡福崎町田口)




 播磨にも名瀑と呼ばれる滝は少なくないが、滝口近くまで撮影機材を積んで車で行ける滝となるとそう多くない。姫路市の北隣の福崎町にある七種(なぐさ)の滝はその例外とも言える1つで、林道のような狭い道だが、一本道を辿っていくと、県下八景・近畿観光百景などに選ばれている七種の滝の主滝・落差72mの雄滝の入口まで到達することができる。

 ロケ地としても魅力は滝だけではない。そこに至る道すがらも魅力満点である。
 まず滝に向かう入口に位置する金剛城寺。真言宗の名刹で、緑の山を背景にして石垣の上にそびえる山門や美しい甍が重なる堂塔は実に端整そのもので、ロケ地に取り込みたい美しい風情を讃えている。
 
 金剛城寺の先に、これも映像に取り込みたい大きなため池を擁する青少年野外活動センターがあり、そこからしばらく行くと左手に古寂びた山門が佇んでいる。旧の金剛城寺はこの山門の奧一帯にあったそうで、いつ頃建てられたのか、風雪に色褪せた山門は実に奥深い味わいがあり、歴史ドラマにそのまま取り込める雰囲気を醸し出している。

 そこからは木立の鬱蒼とした陰が続く道で、一部舗装がなされているものの、左右のところどころにかつて堂塔が建っていた跡だろうか、苔むした石垣が顔を覗かせ、渓流の瀬音が絶えず林間に響き、古の街道筋を彷彿させるに充分。旅姿の武家や商人を歩かせたくなってくる。

 やがて前方に石の鳥居が見えてくる。七種神社の鳥居で、雄滝への入口。鳥居の先に木の太鼓橋がかかり、その先に天気の良い日には虹がかかるという虹滝。岩肌を伝う小さな滝だが、迫る山塊と木々の緑に包まれたこのあたりも絶好のロケ地で、鳥居や太鼓橋が良い道具立てになりそうである。

 虹滝からは山道で、10分ほど歩き、左手に少し下ると雄滝がその姿を見せる。落差72m、幅3mで、48変化と呼ばれる風情が見ものだそうだが、取材時は夏の雨の少ない時期。残念ながら水量がそう多くなく、豪快とまではいかなかったが、岩肌を滑り落ちる滝の勇姿をさえぎる木々もなく、上端はまるで切り取ったような青空。滝全体が視界に捕らえられ、水量の多い季節ならどれほど美しいか、想像にかたくない。滝口の横手上には七種神社があり、ここからの景観もなかなかのもの。「ぜひロケハンに」と自信を持ってオススメできる播磨でも稀少の地である。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

姫路フィルムコミッション「トーク&シネマ」を開催!


 姫路フィルムコミッションでは設立以来毎年、姫路で撮影された映画の上映等を行ってきました。今年は、10月17日(金)18時30分より、イーグレひめじ(姫路市本町68番地290)の3階「あいめっせホール」において、姫路ゆかりの映画監督でひめじ観光大使も務めている秋原正俊さんが、今秋、姫路市内で来年公開予定の映画を撮影しますので、それに先立ち秋原監督の最新作「二重心臓」の上映いたします。

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 定員は260名です。応募については、姫路フィルムコミッションのホームページ【http://www.city.himeji.lg.jp/fc】をご覧ください。締切りは9月30日(火)必着となっています。応募者多数の場合は抽選となりますのでご了承ください。

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