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2008/07号

荒れ果てたお堂と石仏。住宅街の中のミステリアスゾーン

(姫路市八代宮前町)




 ロケ地となりそうな場所はないかと、市内市外を問わず、できるだけくまなく歩くようにしているのだが、時おり幸運にも地元の人でも余り知らない「穴場」と出くわすことがある。今回紹介する八代山行者堂もその1つである。

 姫路城の北西、県立姫路西高校や県立大学などがある文教エリアの、ぎっしりと住宅が建ち並ぶ一画に姫路城主が寄進した石鳥居が残る大歳神社があり、その背後にこんもりとした緑の山が迫っている。西側は山腹まで家並みが迫っており、宅地化からからくもまぬがれたという雰囲気なのだが、何かしら気になって登っていくと、荒れ果てた感じの行者堂が建っている。

 行者堂というからには、まわりに住宅などがなかった頃は、修験の行者たちの信仰を集めていたのだろうが、近所の人の話では近年はお参りする人も、お堂をお守りする人もないそうで、見るからに荒れるにまかせたという感じ。だからこそどこかミステリアスで、背中がゾクゾクとしてくる。
 
 お堂そのものはさほど古いものではないが、その周囲には赤茶けた色の岩が剥き出しになって続き、その中に西国霊場の観音様を彫った石仏が並んでいる。とはいえ、多くが破損したり倒壊したりしていて、夏の炎天のもとなのに、どこか不気味で寒々しい空気が流れている。

 かと思えば、近くの高校から部活動なのだろう、若々しい掛け声が流れてきたり、少し歩けば市街地が見渡せる展望の良い場所にも出ることができる。この不思議なギャップ、だからこそやはり「ミステリアス」なのである。

 来た道を戻ると再び住宅街。車も通る舗装された道からは姫路城も望め、まぎれもなく「現代」そのものなのだが、わずか5分も山道を歩けば時代から忘れ去られた石仏や行者堂。今風の住宅街の中にエアーポケットのように存在するミステリアスゾーンとでもいえばいいのか、その落差の大きさが興味深い。現代と過去の間をさまよう怪奇ドラマやサスペンスドラマの、小道具(舞台)として面白いのではないだろうか。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「まつりだ!まつりだ!姫路お城まつりだ!!」




 じめじめした梅雨の時期も終わり、これから夏本番を向かえます。
姫路の夏といえば、「姫路お城まつり」です。姫路の夏の風物詩として、歴史とにぎわいに満ちた姫路市最大の市民まつり、今年で59回目を向かえ、8月1日(金)〜3日(日)開催されます。

 幕開けの1日(金)に行われるのは「姫路城薪能」です。ライトアップされた姫路城を背景に幽玄の世界が繰り広げられます。
2日(土)は「お城の女王発表会」やメインイベントの「市民パレード」があり夜には、姫路城の歴代城主や千姫輿入れ行列などの「歴史パレード」そして最後に2000名が一斉に播州音頭を踊る「総おどり」は圧巻です。

 3日(日)は「ひめじ良さ恋まつり」で、熱い踊りが繰り広げられます。
 季節も暑く、姫路も熱くなります!

タイムスケジュール(予定)

8月1日(金) 18:30〜21:00 姫路城薪能(姫路城三の丸広場)
8月2日(土)                   14:30〜14:50 お城の女王発表会(大手前公園)
16:00〜19:00 市民パレード(大手前通り)
19:00〜20:00 歴史パレード(大手前通り)
20:00〜21:00 総おどり(大手前通り)
8月3日(日)  9:30〜21:00 ひめじ良さ恋まつり(大手前公園ほか)

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