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2008/05号

海のまほろば坂越・再見。歴史に彩られた魅力ある建築物

(赤穂市坂越)




 街並み、路地、眺望の美しさに触れた先月に続いて、今月も江戸から明治時代にかけて廻船業で栄えた坂越の町の映像に取り込めそうな建築物の紹介を。

 まずは大正末期に奧藤銀行坂越支店として使用が始まった建屋。黒漆喰の壁に美しい連子格子の窓を備えた建物で、現在は「坂越まち並み館」になっているが、内部には黒光りする頑丈な大金庫も残され、さらに2階の屋根裏は今では珍しい竹野地仕上げになっており、かつての地方銀行の面影を偲ぶことができる。

 慶長6年(1601)創業の蔵元・奧藤商事の米蔵や酒蔵も絵になる。特に酒蔵は屋根こそ近年葺き替えられたものの、白壁に平瓦を貼りつけたなまこ壁の美しい意匠や、太い梁や柱が剥き出しになった内部は昔のままで、のれんのかかった店舗、酒蔵と路地が形づくる風景にも味わいがあり、戦前あたりまでの造り酒屋を舞台にしたドラマが充分描ける。

 続いて奧藤商事のすぐ近くにある市指定文化財の「旧坂越浦会所」。会所とは行政や商業などの事務をとる役所のことで、江戸後期に建てられた旧会所を設計図通りに復元したものだが、入母屋造りの外観はもちろん、低く垂れ込めた天井、狭い階段、続き間となって広がる20近い部屋、風情ある坪庭の横にしつらえられた廁(かわや)、井戸を設けた裏庭などにも趣があり、建築当時を偲ぶことができる。

 また、この会所は赤穂藩の茶屋としての役割も担っていたのだが、2階の海に面した一画にはベンガラ色の壁に彩られた床の間付きの藩主専用の休憩所(観梅楼)や、寝所として用いられた一段低くなった落之間もあり、障子窓越しには海と生島が望め、ちょっとした殿様気分。時代劇のワンシーンにも取り込めそうである。

 坂越の町を開いたと伝えられる秦河勝を祀る大避神社も取り込みたい1つ。現在の本殿、拝殿、神門はいずれも江戸時代に再建されたもので、山腹の木々を背景にひっそりと佇む様は古色にあふれ、なかなかのもの。貴重な絵馬なども残り、しっとりとしたシーンが撮れそう。鳥居越しに青い海と濃い緑を滴らせた生島を望む構図も実に美しく、海をバックに緩やかな参道を上ってくる女性の日傘が目に浮かぶようでもある。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「ザ 祭り屋台 in 姫路 いよいよ最終年!」



 姫路では、古くから収穫を祝う秋の祭りとして、祭り屋台(太鼓台とも言われる担ぎ方の囃子屋台)などを練る「秋祭り」が市内各神社で盛んに行われています。

 この「祭り屋台」は、豪華な「飾り金具」、木造彫刻の「狭間(さま)」、「露盤」、「幕」や「高欄掛」といった縫物、「伊達綱(だてづな)」など匠の職人たちの技術・文化・歴史が凝縮されており、重さ約2トンの動く工芸品と言えます。この「祭り屋台」を100名近い勇壮果敢な男性たちが担ぎ、さらにその周囲には、色とりどりの「しで」と呼ばれるもので取り囲む「姫路の祭り屋台」は、勇壮で豪華絢爛で、その迫力で人々に大きな感動を与えます。

 この「祭り屋台」と「世界文化遺産姫路城」の競演を披露しようと、平成16年から始まったイベントが「ザ まつり屋台 in 姫路」です。
 今年は、5月31日(土)(雨天・翌日順延)姫路城三の丸広場・大手前通りなどで、午前10時から開催されます。観覧は無料ですが、少し高い目線でゆっくりと観覧できる有料観覧席を1席3,500円で販売しています。また前日の30日(金)は、午後5時30分から「おんな祭り」の前夜祭が開催されます。約500名の女性やこどもが、パレードを行います。

 来年度からはじまる予定の姫路城大天守保存修理事業により、「ザ まつり屋台 in 姫路」は今年で最後となります。世界遺産に結集した、播州祭りどころの心意気をご覧にぜひお越しください。
お問い合わせ先は、下記のとおりです。

ザ・まつり屋台in姫路実行委員会
TEL 079〓287〓3659
ホームページ http://www.himeji-cci.or.jp/yatai/index.html

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