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2008/04号

街並み、路地、眺望の美しさを奏でる・海のまほろば・坂越

(赤穂市坂越)




 聖徳太子に仕えて活躍した秦河勝を祀る大避神社を中心に、古くから開けた港町坂越。特に江戸時代には瀬戸内海有数の廻船(海運)業の町として栄えたが、押し寄せる近代化の波の前に日本各地から多くの歴史的景観が失われていく中で、今なお古き良き時代の景観と佇まいを残す数少ない町の1つでもある。そこで今月と来月の2回に分けて、ロケ地としても数々の魅力も備えた坂越の町を紹介することにしよう。

 まずは街並み景観。町の西側を千種川が流れ、船で川の船着き場に運ばれた数多くの物産が「坂越大道」と呼ばれる大通りを経て坂越浦へ運ばれたが、海に向かって下るその通りの両側に古い家並みが残っている。白漆喰で塗り固めた厨子二階(中二階)の民家、黒漆喰の壁に連子格子の窓を備えた旧銀行の建屋、慶長6年(1601)創業の造り酒屋・奧藤商事の米蔵や酒蔵、西国大名の本陣を務めた奧藤家の美しい入母屋造りの主屋、さらには黒漆喰の塗屋造りで出入口の大戸が残るかつての商家などで、それらが往時の繁栄を偲ばせながら、ひっそりと佇んでいる。

 どこか懐かしさを覚える、陰翳を帯びた「路地」の存在もまた坂越の魅力の1つである。平地の少ない港町では、狭い路地を挟んで民家が軒を重ねるように密集し、表通りとはまた違った独特の味わいをたたえていることが多いが、近年はそれに誘われて中に入ってみても突然モダンな洋風の家に出くわしたりして、興ざめすることが少なくない。ところが坂越の場合、そういうバランスの悪さがなく、路地の奧にも焼き板を巡らせた古い民家が続いていたり、細い坂道を登った先に廃屋や蜜柑の木が連なっていたりもする。私たちが描く「路地」のイメージが今も現役なのである。

 瀬戸の海や湾内に浮かぶ生島(天然記念物・生島樹林)、黒い屋根瓦を連ねた街並みを見渡す眺望の素晴らしさも坂越の大きな魅力である。とりわけ少し小高い位置にある船岡公園の展望広場からの眺望、さらにそこから背後の山道を登ったところにある妙見寺観音堂からの俯瞰は抜群で、海を背景にした様々なシーンを思い浮かべることができる。

 長い歴史と寄り添ってきた・海のまほろば・坂越。次回はポイントを絞って、ドラマやCMの舞台にもぴったりの建築物について紹介してみたい。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「百菓繚乱〜姫路菓子博2008〜」

 すっかり春めいて、姫路城は桜の見ごろを迎えました。その姫路城周辺を会場とした「第25回全国菓子大博覧会・兵庫〜姫路菓子博2008〜」が4月18日(金)〜5月11日(日)の24日間、開催されます。

 菓子博とは、明治44年(1911年)に東京で「第1回帝国菓子飴大品評会」が開催されたのを皮切りに、数年おきに全国各地開かれています“お菓子の祭典”です。

 洋菓子・和菓子など、ふるさと兵庫のスイーツが大集合した、兵庫のお菓子館などがある「ときめきの舞台」、和・洋菓子職人のコラボレーションによるお菓子の甘〜い姫路城を展示してるテーマ館がなどある「創造の舞台」、見て、買って!北は北海道、南は沖縄まで、全国の銘菓数千点が一堂に会する、お菓子めぐり館などがある「交流の舞台」の3つの舞台とそれらをつなぐ「お菓子街道」で構成された会場となっています。

 全国各地のお菓子の展示・販売のほか、菓子職人による技術の披露や菓子文化の歴史紹介など、お菓子について楽しく学べる・味わえる内容となっていますので、ぜひ、城菓町・姫路へお越しください。

■入場料金(単位:円/税込)

券 種 区 分前売券
2008年4月17日まで
当日券
普通入場券大人1,8002,000
シニア1,4001,600
高校生1,2001,400
中学生700800
小学生以下は無料! 但し、大人の同伴・引率がある場合に限ります。

お問い合わせ先は、下記のとおりです。
第25回全国菓子大博覧会・兵庫 兵庫県実行委員会事務局
TEL 079〓225〓5151・5161
ホームページ http://www.kasihaku2008.jp/

※ご来場の際は、公共交通機関をご利用ください。

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