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2008/03号

日本民俗学の原郷。ノスタルジーあふれる辻川界隈

(神崎郡福崎町)




 神崎郡福崎町の玄関口、JR播但線福崎駅から東に向かうと「辻川」と呼ばれる一画がある。姫路と生野銀山を南北に結ぶ旧生野街道と、加西市の北条から夢前へ東西に抜ける旧北条街道が交わる交通の要衝として古くから栄えてきた町である。

 その辻川で生まれ育ったのが日本民俗学の父・柳田國男で、古い家並みが点在する旧北条街道沿いには時の流れが止まったようなノスタルジーがあふれている。

 まず通りの入口にあるのが「松岡百貨店」。昔はよくあった家庭雑貨から衣類や履き物まで何でも商う店で、そのどこか懐かしい佇まいについ胸が熱くなってしまう。

 そこから少し行くと、瓦屋根の美しいかつての酒造元や大正時代の郵便局跡だという古い洋館、さらに行くと代々姫路藩の大庄屋を務めた「大庄屋・三木家住宅」がある。

 江戸時代に建てられた屋敷はもっか修築工事のため非公開だが、土塀を巡らせた表門を入ると右に馬屋があり、左の玄関を入ると床の間、仏間などがある表座敷。屋敷の奧には大きな竈(かまど)を備えた土間や男衆(おとこし)部屋、酒倉や味噌部屋などもあり、当時の様々な生活用具も多数残っている。工事完了の暁にはこの1邸だけで江戸から明治頃にかけての大庄屋の暮らしが再現できそうで、ロケ候補地としてぜひテイクノートしておきたいところである。

 三木家の北側には柳田國男が幼い頃によく遊んだという鈴の森神社や、國男がある本の中で「私の家は日本一小さい家だ」と言った茅葺きの生家があり、その背後にひときわ目を引く洋館が建っている。明治19年(1886)に神東・神西郡役所として建てられた洋風建築で、現在は「神崎郡歴史民俗資料館」になっているが、随所にギリシャの建築様式を取り入れており、“引き”がないのがネックだが、明治を舞台にしたドラマの撮影には格好かも知れない。

 ほかにも周辺には北野天満宮や、地場特産のもちむぎ麺を食べさせる「もちむぎのやかた」などもあり、福崎らしさを凝縮させた一画になっている。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「春の姫路城へ来ませんか」




 寒い季節も終わりを告げ、ようやく暖かくなってきました。待ち遠しいさくらの時期ももうすぐです。姫路城では、この時期に様々なイベントが行われます。にっぽんの桜百選にも選ばれている姫路城の桜を見に来ませんか。

○ 姫路城「しろの日」特別公開
4月3日(木)〜9日(水)
化粧櫓や大天守地階の厠など、普段は公開されていない部分を特別に見学できます。

○花あかり〜姫路城夜桜会〜
 4月4日(金)〜13日(日) 午後6時〜午後9時 ※雨天決行
 夜間ライトアップされた西の丸庭園の桜木を無料で見学できます。夜空に浮かぶ美しい天守閣を背景に夜桜を楽しめます。

○ 姫路城観桜会・お花見太鼓
4月5日(土) 午前10時〜午後4時 ※雨天時は6日(日)に順延
 桜が咲き誇る三の丸広場で、城を背景に100面の琴の演奏や勇壮な和太鼓の演奏が行われます。お茶席や地酒の販売コーナーもあります。

この時期は毎年多くの方が来られますので、姫路城へお越しの際は公共交通機関のご利用をお願いします。

〜お知らせ〜
 姫路市では、平成2年に4月6日を「しろの日」として定め、以来、姫路城、姫路市立動物園、姫路市立美術館、姫路文学館及び兵庫県立歴史博物館の入場料金を無料として、多くの観光客の皆様にご来場いただいていましたが、姫路城への入場者数が非常に多くなり、安全に見学していただくために入場制限を行うなど観光客の皆様にご迷惑をおかけしている状況となり、5施設の入場無料につきましては、平成19年度をもって終了となります。平成20年度以降につきましては、姫路城が世界遺産に登録されました12月11日が5施設の入場料金が無料となりますことをお知らせいたします。

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