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2008/01号
古代から現代まで、興味尽きぬ歴史とロケ地散策
(たつの市新宮町)
姫路市の北西に位置する新宮町。ここには古墳など数多くの古代遺跡から、以前に一度紹介した時代の最先端をいく播磨科学公園都市まであり、多彩なロケ候補地を散見することができる。とりわけ新宮町は古代史の宝庫として知られているが、中でも映像的に興味深いのがJR播磨新宮駅南方の県道から少し奥まったところにある馬立(うまだて)古墳群で、山裾のうっそうと生い茂る木々の根元に、6世紀から7世紀にかけて築造された約30基もの円墳がひっそりと佇んでいる。
一見大きな土饅頭のような感じなのだが、棺を収めた石室の横穴がほぼ一定の方角を向いて穿(うが)たれており、それがまるで闖入(ちんにゅう)者を咎める古代の人々の暗い眼窩(がんか)のようにも見える。さっと鳥肌が立つような不気味さ、重苦しさが見る者に迫ってくるが、だからこそホラー映画やサスペンスドラマの舞台に格好の地とも言える。
また、現在は県道となっている道路はかつての因幡街道で、田畑が広がる中に今も「輪袈裟の清水」や「お玉の清水」などが残っており、江戸時代の旅人を立たせても絵になる雰囲気を残している。さらに駅の北側の山裾にある宮内天満神社、宮内八幡神社、梅岳寺なども昔ながらの面影を残しており、時代を昭和初期あたりまで遡らせた撮影ができるだろう。
最後にちょっと面白いのが町の東を流れる揖保川に架かる吊り橋。全長約160m、水面からの高さ約9mの鋼鉄製の吊り橋で、足元から水面が透けて見え、歩く度に橋が揺れてワイヤが軋む音がするなどスリルも満点。こちらもサスペンスものに使えそうだ。
橋を渡りきり、国民宿舎の横手を奧に入っていくと東山公園。一帯は小嵐山とも呼ばれる桜と紅葉の名所で、なかなかの風情。川の左岸沿いの道路から車で行くこともでき、交通の便が良い割には閑静な雰囲気をたたえており、映像的な魅力も充分。新宮町の魅力は地元の西播磨でも余り知られていないが、発掘すれば古代史だけでなく映像の宝庫になるかも知れない。
姫路へ行こう!今月の話題はこれ
「増位山随願寺の鬼追い」
姫路で「鬼追い」といえば、書写山で行われる「修正会(しゅしょうえ)」が有名ですが、今回は、2月11日(月)に行われる増位山随願寺の鬼追いについて、紹介いたします。
増位山随願寺では、薬師如来の化身・空鬼、毘沙門天の化身・赤鬼、そして不動明王の化身・青鬼の3鬼と、子鬼数十鬼が登場し、本堂(金堂)を舞台に、拍子を取ったドラ・鉦などの音と読経の中で舞い踊ります。
鬼踊りはまず、左手に面、右手に松明を持つ空鬼が登場し、内陣の東側から外陣に向かい、その後正面に来て本尊に礼拝します。そして回廊を3周して控所に戻ります。空鬼の後は御幣を持つ子鬼が「オンコロコロ センダリマトウギ ソワカ」と唱えながら回廊を3周します。続いて鈴と松明を持つ赤鬼と、鉦と松明を持つ青鬼が内陣から外陣に出てジグザグに進みながら控所に入ります。そして再び空鬼が前の所作を3度繰り返し、赤鬼と青鬼も同じ所作を繰り返して、3度目の空鬼の所作の後、赤鬼が単独で所作をして外陣につき、同時に青鬼が東側から外陣に出て、赤鬼と青鬼が松明を3度合わせます。
この松明がよく燃えると豊作といわれ、終わりに近づくに連れてよく燃える年は晩稲が良いといわれます。
鬼踊りが終わると餅まきがあり、経蔵の前で採燈護摩(さいとうごま)が行われます。
他に、福引き大会や虚無僧保存会による献奏なども行われる予定ですので、ぜひお越しください。
この行事が行われる、増位山随願寺は、韓国映画「風のファイター」(2004年)のロケ地となった場所でもあります。こちらの映画もご覧になっていただきたいです。
他に、福引き大会や虚無僧保存会による献奏なども行われる予定ですので、ぜひお越しください。
この行事が行われる、増位山随願寺は、韓国映画「風のファイター」(2004年)のロケ地となった場所でもあります。こちらの映画もご覧になっていただきたいです。