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2007/09号

室町時代の雄、赤松氏の居城・置塩城下の歴史街道

(姫路市夢前町宮置)




 姫路市香寺町から県道山崎香寺線を走り、暮坂峠を越えると夢前町宮置。今では田園が広がる農村だが、文明元年(1469)に播磨、備前、美作3カ国の守護赤松政則が築いた置塩城の城下町として開けたまちでもある。

 城山と呼ばれる山上に築かれた置塩城には今も本丸跡を初めとする曲輪跡や大石垣と呼ばれる石垣などが残り、中世山城の雰囲気を色濃く残している。ただし、城跡へは登山道を歩いて片道40分ほどかかるので必ずしもロケ好適地とは言えないが、山裾の「町村」と呼ばれる集落に何カ所か見るべきところがある。

 まず1つが、登山道入口近くにある櫃蔵(ひつくら)神社。高さ30メートル、幹回り6.6メートルの大イチョウの樹を初め巨木がそびえ立つ広い境内は古よりの格式を偲ばせており、昭和3年に旧様式通りに改築された三間社流造銅板葺の本殿や古色を帯びた山門などは充分絵になる。

 もう1つ、集落の東寄りにあるのが霊亀2年(716)に徳道上人によって開創された古刹、富田山性海寺(しょうかいじ)。車でも上れる山道をたどっていくと、城郭のような白い塀を巡らせ、妻入りの本堂と薬師堂がひっそりと寄り添った趣のある寺が現れる。本堂は寛文六年(1666)の再建で、風雪に色褪せた木造建築の質感がなかなかの味わいを見せ、歴史ドラマにも使えそうな雰囲気。質素な造りの鐘楼、樹齢300年以上という五葉松、蓮の葉を浮かべた池などもしっとりとした落ち着きがあり、ショットに取り込みたいところ。集落にもう1つある赤松氏ゆかりの寺、西方寺の門前あたりもなかなかの趣があり、一帯がかつては城下町として栄えたという史実を裏づけているようでもある。

 さらにもう1つ注目したいのが、集落の西を流れる夢前川の土手。土手とは言うまでもなく堤防あるいは堤のことだが、近年は大半が舗装されてしまい、「土手」の風情を残すところは・あるようでない・のが実情だが、川に架かる宮置橋の下流西岸は幸いにも今も土道。アングルを絞れば時代を遡った土手の雰囲気をある程度再現できるかも知れず、その意味でも貴重なスポットと言えるだろう。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「秋の訪れを感じる」

 ようやく秋の気配を感じられるようになってきましたね。そんな季節に、姫路城で中秋の名月をバックに、日本の伝統芸能に触れてみませんか?
 9月25日(火)姫路城三の丸広場におきまして、第25回姫路城「観月会」が開催されます。午後6時から9時まで、筝曲演奏、尺八演奏、三味線演奏、和太鼓演奏などが行われます。また、お茶席や地酒コーナーなどもありますので、楽しんでいただけると思います。

 また、姫路城の西隣にあります姫路城西御屋敷跡庭園「好古園」におきましても、同日に観月会が開催され、笛や和太鼓などの演奏が行われます。
 ぜひ、秋の訪れを感じに姫路へいらして下さい。(雨天の場合は26日(水)に順延)

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